官邸発「ワーケーション」は働き方を変えるのか

SNS上であがる反発の声、課題は時間の自由度

ウィズコロナ時代の新しい働き方として、リゾート地などにおけるワーケーションが注目されている(写真:PIXTA)
新型コロナウイルスのダメージを受ける観光業界を救済しようと、政府が打ち出した「Go Toトラベル」事業。それがいま一つ盛り上がりに欠ける中、菅義偉官房長官が7月27日の観光戦略実行推進会議で掲げたのが「ワーケーション」の推進だ。
ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語だ。リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇を過ごす仕組みのことだ。これに対し、SNSなどで「休暇中に不当な労働を強いられるのでは」といった懸念の声が多く上がっている。
ワーケーションは誰に、どのようなメリットをもたらすのか。ワーケーションに詳しい山梨大学生命環境学部の田中敦教授に聞いた。

ワーケーションのメリットとは

――ワーケーションを導入すると、労働者、企業にそれぞれどんなメリットがあるのでしょうか?

ワーケーションは働く場所と時間が自由なライフスタイルと言える。労働者にとっては、リゾート地など自分の好きな場所で働くことにより、モチベーションや集中力が上がる。休暇中に業務を滞らせないで休めるといった点もメリットだ。また、地域の人々との交流による越境学習への期待もある。

ウィズコロナで家庭生活の概念が大きく変わった。コロナ前であれば、例えば休暇をとって家族で1週間、バンガローを借りて過ごす時、「お父さんはリモート会議があるからこの日は遊べない」なんて言おうものなら、遊びを楽しみにしていた妻と子どもから袋叩きに遭ってる(笑)。

しかし、今はリモートワーク対応が進んでいる。お父さんもお母さんも自宅で仕事、子どもは何カ月間も自宅で宿題をしている。家族で休暇を過ごすワーケーション先において、水曜日はお父さんが仕事で、火曜日はお母さんがアメリカの取引先と会議をし、子どもはその間に宿題を済ませる。空いた日は家族全員で川へ遊びに行く、といったライフスタイルが可能になった。

企業にとって、ワーケーションはテレワーク推進策やBCP対策として期待できる。一部の時間だけ業務を認めることで、休暇取得も促進できる。優秀な人材の獲得する際に、1つのインセンティブとして柔軟な働き方を提示できる点も重要だ。

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