「愛の不時着」を破った韓流ドラマ2本の衝撃 まだまだ抜け出せる気がしない「韓流ドラマ沼」

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古今東西、弱小スポーツチームの逆転優勝劇は人気のジャンルだ。しかし、一般的には選手と監督やコーチとの感動の絆を描くことが多いだろう。

だがこのドラマの興味深いポイントは、選手ら表舞台に立つ者達はもちろんだが、マネージャー、選手スカウトチーム、広報、戦力分析チーム、運営スタッフなど裏方の人々を中心に話が展開する点だ。スポーツ系のサクセスストーリーを楽しめるのと同時に、お仕事系ヒューマンドラマとしての見方もできる。

ちなみにこのドラマも『浪漫ドクター キム・サブ2』と同じSBSのドラマ。SBSは視聴者数ランキングでは1位から15位までに7作品もランクインし、KBSやMBCが低迷するなか、唯一の地上波民放としてヒットを連発した。

アメリカでリメイクされる作品も

韓国ドラマは今、ネットフリックスの配信に乗って世界中から注目を浴びている。その証拠に、去年視聴率記録を出し社会的ブームとなったドラマ『SKYキャッスル』はアメリカでのリメイクが決定している。

そのほかにも、幽霊専門のゴーストホテルを舞台にした『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』、日本でも中井貴一主演でリメイクされた『記憶』、韓国内で一番多忙とされる警察署を舞台に、悪と戦う警官たちを描いた『ライブ ~君こそが生きる理由~』なども、すでにアメリカでのリメイク版権が販売済みである。

韓国ドラマは日本に比べて1話が65分程度と長く、全体で16〜20話前後と多い。そのため、登場人物を多くして、話をより深堀りすることが出来る。そして、韓国映画同様、社会情勢や社会的な問題を説教くさくならない程度に、上手く取り入れているのも韓国ドラマの特徴だろう。

また、俳優だけでなくスタッフも、映画とドラマの垣根を越えてどちらでも活躍する人が増えたため、ドラマの画面のクォリティーが急速に上がったことも、世界から受け入れられる要因となった。韓国ドラマは今後も世界からの注目の的になっていくことだろう。

 

ウォリックあずみ/映画配給コーディネーター
20歳で渡韓、2002年韓国ソウル芸術大学映画学科に入学。2005年から韓国の映画会社入社、2008年より映画バイヤーになる。2016年に帰国、2017年よりアメリカ・ワシントンDC在住。
「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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