(第1回)驚くべき急回復を示すアメリカの先端産業

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金融と情報が成長し製造業が落ち込む

収益が伸びているのは金融業だけではない。情報関連企業の好調ぶりは、さらに印象的だ(ここにはいわゆるITのほか、出版・映画・放送なども含まれている)。09年第3四半期には、過去最高の利益を記録した。07年初めの利益は製造業の3分の1未満でしかなかったが、最近ではほぼ同額になっている。


■出所:Bureau of Economic Analysis(米商務省経済分析局 業種別企業収益表)

図に見るように、そもそも情報関連産業は経済危機によってあまり大きな影響を受けなかった。あらゆる産業が壊滅的な打撃を受けたのだから、このこと自体が驚くべきことである。しかも、金融や自動車と違って、政府支援とまったく無関係だった。この状況も、日本人には理解しがたい。日本の電機メーカーは、製品価格の激烈な値崩れによって、低収益状態をさまよっているからだ。

理解しがたいことは、以上にとどまらない。アメリカ経済の不調を示す指標は山ほどある。失業率は高止まりだし、消費支出も回復していない。金融を見ても地域金融機関は問題を抱えている。住宅価格は弱含みだし、商業用不動産での損失は深刻なままだ。製造業の利益は、図に見るように下落を続け、07年ごろの半分未満にまで落ち込んだ。経済危機対応の支出が増えたため、財政赤字も歴史的な水準に拡大してしまった。

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