「パインアメ」圧倒的に愛され続ける定番の裏側 原点忘れず常に変化を遂げ国民的商品に育った
このときの失敗を毎日、日誌や日報に書いて記録していたのですが、これを全部データ化しました。困ったことや悔しかったことなど、客観的なものから主観的な「悔しい、悔しい、悔しい……」という感情まで、すべてが書かれています。最後のほうは、「ありがとう、ありがとう、ありがとう……」が100回続いています。
品質問題は失敗といえば失敗でしたがそこから得られたものが非常に大きな糧となりました。
“アメ”を通して世の中に必要とされる嗜好品を目指す
三神:パインアメの企業理念は?
上田:“おいしさ・安心・安全”などを通して、いかに社会貢献するかということが、企業の大事なテーマです。社内のトップから現場で働く社員に至るまで、“金太郎あめ”のように同じ発想を持っていなければいけない。
「企業の社会性」を考えたとき、企業理念が「本当に世の中で必要とされているかどうか」。良い会社にならなければ企業が永続できません。そのために、毎年時代の変化に応じて“何か”を変えていくことが大事だと思います。
三神:“アメ”を通して世の中に、より何ができるかということを徹底的に考えていくということですね。
上田:はい。“アメ”というのは、実はとても大事な平和産業です。コロナのときでも、お菓子を食べればにっこりと笑顔になれます。もっと世の中に必要とされる嗜好品を目指すべきだと思っています。
三神:「アメちゃん」と大阪の人は言いますが、「アメちゃん」があるだけで人を気遣える1つのツールになりますね。「ちょっと喉しんどい? 風邪気味じゃない?」とか、「ちょっと元気ないからアメちゃん食べたら元気になるよ」というような、人を元気にする食べ物ですよね。
上田:私もかばんの中に、アメの袋を皆さんに配るために常備しています。自社商品だけでなく、新しい商品を全部買い込んでつねに入れ替えています。
三神:アメはいただくのに気兼ねがないですしね。
上田:高いものを頂戴すると、お返しをどうしようかと考えてしまいますが、アメはいただいても余分な気遣いが要りません。恐らくこういうものが、未来永劫続く商品のあるべき姿だと思います。
(構成:二宮 未央/ライター、コラムニスト)
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