ヤマ発が「赤字子会社」を完全に取り込んだ理由 ロボティクス事業で投資を加速する狙いとは

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東京エレクトロンなどが手がける前工程の製造装置は1台数十億円のものもあり、市場規模も大きい。後工程でも数億円規模の製造装置があるが、SMTは一般的には1000万~2000万円の機器が多く、額はそれほど大きくない。

SMTはかつてカシオやシチズンも取り扱っていたが、現在はパナソニック、フジ、ヤマハ発動機と、オランダに本社を持つASMがシェアの大半を握る。これまでは半導体製造の各工程は専門の企業が担っていたが、そこに風穴を開けたのがASMだ。同社は香港のファンドを通じて、ほかの工程を含めた欧米系の半導体製造装置メーカーを次々と傘下に収め、一気通貫での販売を可能にした。

そこでヤマハ発動機も、後工程の各製造装置で大手だった新川とアピックヤマダの2社の買収に乗り出した。アピックヤマダは一部の工程で世界2位などシェアは高く、取り込みによるシナジーを狙った。

コスト改革のために完全子会社化

2社の買収でYMRHが誕生したが、それから1年で親会社であるヤマハ発動機に完全子会社化されることになった。ヤマハ発動機の加藤取締役は「コスト構造の改革のことも考えると親子上場よりも(完全子会社として)取り込んでしまったほうがよいと判断した」と話す。技術の共有やコスト管理などを含め、ヤマハ発動機の原価低減などのノウハウを積極的に活用する構えだ。

2019年に行われた半導体関連の最新技術の展示会。ヤマハ発動機もSMT事業の技術をアピールした(写真:ヤマハ発動機)

また、中長期の視点で重要となるのが販路の確保だ。国内市場は停滞しているが、世界全体では半導体製造装置で600億ドル近い市場規模があり海外は拡大を続けている。2020年に入ってからも東南アジアの強化のためにタイに販売拠点を新設、中国の華南にある販売拠点も拡充を行うなど販売網を強化している。

こうした取り組みを通じ、ロボティクス事業全体の底上げを図る構えだ。実際、ヤマハ発動機の中期経営計画では2021年にロボティクス事業の売上高1000億円超(2019年は756億円)、経常利益率26%(同10.2%)の達成を目標に掲げる。

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