「聞かれてこそ音楽」、だからJASRACに対抗する 金をとられるとジングルベルが街から消えた
著作権者にだけ使用料が発生するのは不合理
――音楽著作権管理は非営利の一般社団法人・JASRACが圧倒的なシェアを持つ市場です。参入に至った経緯を教えてください。
1939年からJASRACは唯一認可された団体として著作権管理事業を行ってきた。それが2001年に著作権等管理事業法が施行され、民間にも門戸が開かれると、28社が参入した。JASRACの独占体制に不満があったからだ。しかし、著作権管理事業は低収益ということもあり、現在までにほとんどの会社が撤退してしまった。
(合併以前に阿南CEOが社長を務めていた)イーライセンスは、ゲームやアニメ、ネットクリエイターなど、JASRACの従来型の管理手法がなじまない層と関係が深く、継続的に作品の提供を受けたことで存続できた。創通やコーエーテクモゲームスなどが株主となっているのはこのためだ。
イーライセンスは楽曲のプロモーションに関して、使用料を徴収しない方針だった。これに賛同し、エイベックスは、浜崎あゆみなどの楽曲をJASRACから移している。エイベックスは積極的なテレビCMや大量のサンプル版など、お金をかけてCDを売っていたが、使用料を徴収されると宣伝費は削られる。アーティストやプロダクションにも収入は入らないのに、著作権者にだけ使用料が発生するのは不合理だ。そもそも、プロモーションで著作権使用料を徴収するのは、世界的にも希少と言える。
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