製薬71社が大学に年200億円も寄付金払う事情 製薬会社・大学別奨学寄付金ランキングを公表
奨学寄付金が得られない研究室はどうするのか。
製薬会社依存が強まる懸念
北海道大学病院の豊嶋崇徳教授によると、とくにがん治療では、保険医療の範疇のみで治療の水準を維持するのは難しいという。それを寄付金で補填してきたが、寄付金額が少なくなってきたために、一部はカンパなどで集めたお金をあてたりしている現状がある。保険医療できちんとカバーされなければ、ますます製薬会社の資金に依存するようになるのではないか。
豊嶋教授は警告する。
「さらに、臨床研究法の施行後、製薬会社が定めている薬の処方量を減らそうとする研究や、薬に関係のない手術法の研究などにはますますお金がかるようになった。自由な研究ができなくなってしまっている。国の公的な資金を投入しないと、製薬会社による医療現場の支配が強まるばかりだ」
【2020年8月6日16時45分追記】初出時、豊嶋教授への取材内容の記述に不正確な部分があったため、小見出しや本文を上記のように修正しました。
国が医療費や研究費を抑制する中、製薬会社に医療現場で必須な資金を握られている状況だ。
このままでは大学病院が製薬会社の支配下に置かれるのではないか――。そう危機感を抱く医師らは少なくない。
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