テレビ報道に危機覚えた記者たちの重い一石 Choose Life Projectは公共メディアを目指す

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「これからの日本を大きく変える政策があっても、有権者の半数が政治家を選んでいない。そこに大きな違和感がありました。『投票しない自由もある』と言う人もいるけれど、その人たち、あるいは未来の世代がどこかで『政治の結果責任』に直面することになる。投票することは、自分たちの人生を選ぶ1つの方法でもある。だから、『選ぼうよ』という思いを込め、Choose Life Project というこの名前にしました」

最初の動画公開は2016年7月、参議院議員選挙に向けて投票を呼び掛ける内容だった。著名人のメッセージ動画を次々とYouTubeにアップ。皮切りは映画監督の是枝裕和さんだ。「自分たちの今と未来に1人ひとりが責任を持つのが民主主義」「選挙へ行きましょう」と是枝さんは呼び掛けた。

CLPの動画で、投票を呼びかける是枝裕和さん(写真:Choose Life Project)

「国会ウオッチング」開始で様子が変わる

2016年の参院選、都知事選……。CLPは選挙のたびに、こうした動画をYouTubeにアップしていく。しかし、再生数は大きく伸びなかった。様子が変わったのは今年2月ごろ、国会議員の発言を取り上げる「国会ウオッチング」を始めてからだ。国会審議の具体的なやりとりは、テレビのニュースではなかなか報じられない。一方で、審議を丸々流す中継は視聴者にフレンドリーとも言い難い。CLPの「国会ウオッチング」はその隙間を狙い、質疑や記者会見の山場やポイントとなるやり取りを編集した動画を次々と制作し、広く拡散された。

YouTubeやTwitterの動画は既に100本を超える。短時間で打ち切られた2月末の首相の記者会見動画は28万回再生された。障害者施設「やまゆり園」で起きた殺傷事件について、NPO法人代表にインタビューした動画の再生回数は60万回を超えた。この夏の東京都知事選ではCLPが主要4候補の討論会を企画、中継し、これも多くの視聴者が視聴した。

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