「びっくりドンキー」新業態はファンを掴めるか カスタマイズできる「ディッシャーズ」新宿店
そんななか、古きよき日本のファミリーレストランを代表するかのようなチェーン、「びっくりドンキー」も、ファストカジュアル業態へと打って出た。現在、江ノ島、西新宿の2拠点に出店している、Dishers(ディッシャーズ)というブランドだ。
同店では、びっくりドンキーが1972年のハンバーグディッシュ誕生以来、研鑽を重ねてきたハンバーグの味はそのままに、サービス提供の面で思い切った変革を加えている。
最も目につきやすい特徴が、例えばハンバーグ2枚にチーズトッピング、サラダ多め、ライス少なめなど、メニューを自由にカスタマイズできることだ。
こうしたカスタマイズ注文、“客ファースト”なようだが、実は大変で、例えばタピオカミルクティーで有名な「ゴンチャ」では、複雑なオペレーションが負担となり、新店舗出店後しばらくは店内が混雑するというのがパターンとなっていた。
料理を従業員が運ぶ「こだわり」
しかしディッシャーズでは、各席にタブレットを配置し、オーダーを機械化することによってこの問題をクリア。また支払いも最後に機械で行うので、客が無駄に待ったり並んだりする必要がない。
ただし、出来上がった料理を客席まで運ぶのはセルフでなく従業員が行う。「フルサービス」をうたい、ドリンクバーさえ拒否してきたびっくりドンキーのこだわりであり、また、複雑なオーダー品をスタッフが確認し、間違いなく客に届けるためという理由もある。
今回のディッシャーズの企画を一から考えたという運営会社のアレフ、常務の庄司開作氏は、その意図をこう説明する。
「新業態ではドリンクバーは入れましたが、フードコートのようにお客様が料理を取りに行く、という形態はとっていない。これは着座したらできるだけそのままゆったりくつろいでいただきたいという理由もあります。
また、お客様自身が料理を取りに行って席まで戻るという過程で、タイムロスが出ます。結果的に、ディッシャーズに求められているサービスである『ファスト』に合致しなくなってしまう。店にとっても、店内の回転スピードが落ちてしまうデメリットがあります」(庄司氏)
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