「いないいないばあ」が子どもを夢中にさせる訳 まだ知らない情報への「好奇心」が学習力を育む
低⽉齢(9~18カ⽉)、⾼⽉齢(18~30カ⽉)の⼦どもたちの注視する時間を分析すると、結果、低⽉齢では、顔が少数しか出てこない⽐較的シンプルなものや、⼈や動物の顔など⽣物性が⾼いものをよく⾒る⼀⽅、⾼⽉齢では、⽣活経験が少ないと予想しにくい、意外性や複雑性が高いものや、顔がついた⼈⼯物や⾃然物、お化けなどの空想的なものもよく⾒る傾向があります。
たとえば、1歳頃にはあまり興味を⽰さなかった「いないいないばあ」のイラストが1歳半ではお気に⼊りになることも出てくるはずです。それは子どもの好奇心の「変化」なのです。
書いてある⾔葉は「いないいない」と「ばあ!」だけでも、読み⼿が声のトーンや抑揚、「ばあ!」のタイミングなどを変えることで、予想のしやすさが変わり、さらに多くのバリエーションをつけることができます。この読み⼿の関わりも、「いないいないばあ」という遊びの重要なポイントです。
とてもシンプルな遊びだが「好奇心」が深くかかわる
また、絵本を介して読み手と「好奇⼼」を共有する楽しさは、⼦どもの⼼の成⻑にもつながっていきます。「好奇⼼」は、他者との関わりの中で、⾔語をはじめとする社会的・⽂化的知識を学習する上で重要な役割を担うからです。
「いないいないばあ」はとてもシンプルな遊びですが、その喜びや楽しさには「好奇⼼」が深くかかわっています。⼦どもは、親や保育者とのやりとりの中で「好奇⼼」を働かせることで、絵本には書かれていない⾔葉や知識も知らず知らずのうちに学んでいけるのです。
⼦どもの姿を通して「好奇⼼」について学ぶことは、大人の私たちにも、知らないことを知ることの楽しさや喜びを思い起こさせてくれます。また、私たちがいつまでも「好奇⼼」を持って学び続けるにはどうすればよいのか、そのための重要な⽰唆を与えてくれるのではないかと考えます。
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