学校制服「価格つり上げ」生むいびつな流通構造 愛知で学生服のカルテル、3社に排除措置命令

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閉鎖的な市場環境において、学校の対応のあり方も問題視されている。
カルテルがあった豊田市では県立高校側が一部の販売店に対して、各店の制服の販売価格を掲載した共通チラシの作成を依頼したり、制服の価格などに対する学校の要望を話したうえで「ほかの販売店にも伝達してほしい」とお願いしたりしていた。

公取委はこうした学校側の依頼が、販売店同士で価格に関する協議を行うきっかけを作る可能性もあるとして、愛知県教育委員会に対し注意喚起を行った。

二の次となる学校側の対応

制服の費用を支払うのは生徒や生徒の保護者だが、学校は制服の仕様や販売店を決定する重要な役割を担う。ただ教務に忙しい教員にとって、制服の契約や価格交渉などをめぐる業務は“二の次”とされることも少なくない。

仕様を見直せば制服の価格を下げられる可能性が十分あっても、契約を結ぶ制服メーカーの要望どおりに値上げを受け入れたり、契約更新時にも、既存メーカーの言うとおりに素材や縫製の仕様を指定した募集要項を定めて、他メーカーの参入を排除したりするケースはいまだに残っている。

学校で指定されている以上、いくら高くても生徒は「制服を買わない」という選択肢を選ぶことは難しい。豊田市のカルテルは氷山の一角にすぎず、事業者や学校の意識、そして流通構造が抜本的に変わらない限り、学校制服は値上がりし続けていきかねない。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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