Go Toから学ぶ「公費をたっぷり使わせるコツ」 コロナで浮かび上がる「新型政商ビジネス」

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「政商」という言葉は昔からあるし、世の中は元々このように動いており、こうした構造を利用する側に回ってメシを食っている人が多数いる。「相手に無理筋なことをやらせてまで、自分たちが儲ける」ことができる大技なのだから、ビジネスの大きなコツはここにあると言っていい。ビジネスに関わる人は、大いに研究するといい。

この仕組みを利用して儲ける側に回るか、それを批判したり、防いだりする側に回るかは、あなた次第だ。筆者は、今回、たまたまこれを批判する側から眺めているに過ぎない。

ここで懺悔を・・・。私にも「過去」がある

相手は政府ではないが、筆者は、よく似た構造で加害者側に回ったことがある。

かつて外資系の証券会社に勤めていたときのことだ。財務状況が極めて苦しい、ある保険会社の顧客がいた。

この会社のオーナー(相互会社なので保険契約者がオーナーだ)の立場から考えると、余計なことをしないで、会社を早く縮小・整理する方がいいのだが、当時の外資系証券会社は決算を一時的にごまかすための「仕組み商品」(デリバティブを使った仕組み債券など)を売り込むことで利益を得ていた。この保険会社の場合、運用課長、運用部長、その上の常務の3人を取り込むことができると、仕組み商品を買わせることができる。

課長には、彼の個人的な顔が立つように仕事のサポートをし、部長や常務にはセールスマンが各種の個人的な恩を売った。ディール(取引)が完成する時の接待は、後に有名になった、特殊な趣向の飲食店だった。

筆者はこのビジネスで直接ボーナスが増えるセールスマンではなく、アナリスト的な仕事を提供してセールスマンのサポートをした「小悪党の手先」くらいの存在だった。だが、「本来なら顧客のためにならないビジネス」に加担していたことは間違いない。振り返ってみると、人生の嫌な思い出の一つだ。

当時、この種の経営が苦しい保険会社が複数あり、複数の証券会社が群がった。仕組み債券1本(100億円)のディールで、証券会社側は数億円儲かったのである。保険会社のうち何社かは後に経営破綻し、破綻の処理に伴って、保険契約者に損失が発生したケースもある。

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