今の株式市場は危ない「超バブル」状態なのか? 過去30年のバブルと比べてわかる意外な事実

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この3回のバブルは、いずれも中央銀行が金融緩和をして、懸命に経済を立て直そうとしている局面では起きてはいない。「むしろショックから立ち直り、中央銀行が『景気もよくなったので、もういいだろう』と景気引き締めに入る状況の中で、なお株価や不動産がグングン上がり、バブルが形成されたという共通項がある」と北野氏は分析する。

実際、④のリーマンショック後、バブルは起きなかった。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が利上げに入ったのは2017年になってからであり、その際、ようやくグロース株がバリュー株に比較して大きく上がるという現象が見られた。

このことから、北野氏は「現在の状況はバブルの局面ではない」と言う。FRBは2022年までゼロ金利政策を維持する見通しであり、「FRBの現状認識が正しいかどうかは不明だが、経済回復が鈍い状態ではバブルは起きにくい」(同)。

お金をジャブジャブにすれば、株価は上がるのか?

だが、それでも投資家のなかには「やっぱり今の株価はおかしい。不況なのに、高すぎるPER(株価収益率)がついている。これは中央銀行が金融緩和をしてお金をジャブジャブ状態にしているからだ」と考える人が、多いのではないか。

確かに、今は世界中の中央銀行が大規模な量的金融緩和を行っている。一方で、一部の企業を除いて企業業績は減益ラッシュなのに、それを正当化できないような、高いPERがついている。「金融緩和」と「高いPER」には一見、相関関係があるように見える。

だが、北野氏は「これは見かけ上そう見えるだけで、因果関係は必ずしもない」と言う。なぜそう言えるのだろうか?

そこで、北野氏が引き合いに出すのが、アメリカのマネタリーベース(量的金融緩和の度合いを見るための指標)と、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500のPERの相関係数のグラフだ。もし、2つの指標に相関関係があるなら、相関係数はつねに「1」になるはずだ。はたして、結果はどうか。結論は、ぜひ動画でご確認いただきたい。

東洋経済 会社四季報センター
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