「高級食パン」ブーム作った男のヤバい成功哲学 まず「金儲けだけをゴールにしてはいけない」

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何のために独特なネーミングにするのか。そんな店名のパン屋をどうやって繁盛させるのか。こうした疑問が頭に浮かぶが、岸本氏がまず述べるのは「金儲けだけをゴールにしてはいけない」という心構えだ。

もちろん、ビジネスとしてお店を出すからには、お金をもらうのは当然のこと。しかし、金儲けだけをゴールにしている人、おいしい話につられてしまうような人で、成功している人を知らないと彼は言う。

オープン初日から行列を作った「考えた人すごいわ」清瀬店の外観(写真:『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』口絵より)

事業を始める人に「人生の棚卸し」を勧める理由

金儲けをゴールにしても、最初の一瞬は儲かるかもしれない。しかし、商品の魅力を深掘りしようとしなくなるため、あっという間に飽きられて他店に抜かれてしまうのだ。

事業を成功させるには、商品作りの技術という縦軸の深掘りに加え、「自分は何をやりたいのか」という横軸の「コンセプト作り」が大切だと、岸本氏は言う。そうでないと「なぜ、この仕事をやるのか」という本質を見失い、目先の利益に走ってしまうことになる。結果的に、割に合わない事業になりかねない。

「考えた人すごいわ」の高級食パンは素材や製法、コンベクションオープンなどにこだわっている(写真:『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』口絵より)

そこで、事業を始める際に岸本氏が勧めているのが「人生の棚卸し」だ。自分の本質が何であるかを自問自答し、自分らしさを見つける作業である。彼がプロデュースする店のオーナーにも、必ずこの話をするという。ちなみに岸本氏自身のコンセプトは「パン屋で街を元気にする」だ。

もともと岸本氏はホテルマンだった。ホテル業界で培ったホスピタリティとおもてなしの心は、現在の仕事にも影響している。また、当時ベーカリー部門のマーケティングを担当したことが、パンの世界に興味を持つきっかけともなった。

2013年、すでに自分のパン屋を開業していた岸本氏に、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町から、パン屋プロデュ―スの仕事が舞い込んできた。公益社団法人が大槌町の人にヒアリングしたところ、パン屋さんがほしいという声が多かったという。

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