上司に逆ギレされない部下になる断り方の極意 断っても逆に好感度が上がる魔法の言葉とは

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最近はメールで来た誘いや依頼を、メールで断らなければならないケースも多いと思います。とくに仕事の依頼などをどう断るか。ビジネスメールなので文章は硬め。それに対する「おことわり」のメールも当然、硬めのビジネス調になるのがふつうでしょう。私の仕事の場合はこんな感じです。「このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございました。ただ残念ながら、その間は別の撮影が入っておりまして、大変残念なのですが……」といった具合です。

もちろん、これでも問題はありません。ですが、きちっとお断りしたうえに、「次回こういう企画があったら本当にぜひやりたいです」という前のめりの気持ちを思い切って素直にそのまま織り込めば、同じ断りのメールでも「次につながる断り」になるかもしれません。「このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございました。ただ残念ながら、その間は別の撮影が入っておりまして……」と、最初は丁寧に断ったうえで硬いビジネスメールに、あえてフランクな口語を入れてみます。

「このお仕事、ほんっとにやりたかったです! もし次のチャンスがあれば、ぜったいに声かけてくださいね!」 こんな風に、お決まりの定型文を最後にポーンと脱出してしまうのです。「あーあ! それにしても残念です!」でもいいでしょう。きっちり失礼なく断ったうえで、思わず本音が流れ出た感じで、うそ偽りのない素直な気持ちを文面に入れ込むのです。

すると、受け取った相手は、定型のビジネスメールの中に入った、この喋り言葉のような文面に「ああ、本当にやりたかったんだな。じゃあ次も声をかけようかな」と思ってくれるのではないでしょうか。もちろん、フランクすぎず、立場をわきまえた言葉選びは必要ですが。

感情的な言葉が距離を近づける

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ビジネスだからって本気の気持ちを、嫌みなく伝えるのは悪いことではありません。考えてみたら、そもそも敬語は相手との距離をとる言葉です。裏を返すと、親しくなれない言葉と言えます。本来、敬語をつかうべき相手だけど、「うわあ!」とか「くやしい!」といった、敬語でもなんでもない、感情的な言葉をあえてつかうことで、逆にぐっと相手との距離が縮まる。適度なフランクさは、場合にとっては、“かわいげ”にもなります。

これは断るときに限らず、メールの文章全般に言えることです。 悪気はないけれど、どうも冷たく見られがちな人、慇懃無礼なタイプに思われる人こそ、試してみてください。失礼に当たらない範囲で感情を織り交ぜ、断る。断っているんだけれど、結果として相手との距離をぐっと近づけるチャンスになるかもしれません。

野々村 友紀子 放送作家

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ののむら ゆきこ / Yukiko Nonomura

1974年大阪府生まれ。2丁拳銃、川谷修士の嫁。芸人として活動後、放送作家へ転身。現在はバラエティー番組の企画構成に加え、吉本総合芸能学院(NSC)東京校の講師、アニメやゲームのシナリオ制作をするなど多方面で活躍中。著書に『強く生きていくために あなたに伝えたいこと』『あの頃の自分にガツンと言いたい』『夫婦喧嘩は買ったらダメ。勝ったらダメ。』(産業編集センター)、『パパになった旦那よ、ママの本音を聞け!』(赤ちゃんとママ社)、『夫が知らない家事リスト』(双葉社)がある。

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