増えるアニメ作品、「新規参入組」が狙う秘策 プレイヤーが増加中、優勝劣敗も見え始めた

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純粋なアニメ制作と比べ、ゲーム化による収益性の高さはケタ違い。その理由として世界展開のしやすさや、コアファンによる継続課金がある。

従来からアニメは放送後にDVD化したり、配信事業者に販売したりすることはできた。しかしそうした収益機会は1度切りであることが多い。それに対してアプリゲームなら、複数年にわたって課金収入や広告売り上げが得られる。ゲームは一度人気に火がつくと、巨額の利益を生むのだ。

当初からゲーム化を想定

ゲームアプリ「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は、2015年にサービス開始。およそ5年にわたって東映アニメーションの収益を支えてきた。こうした潜在能力の高さを見て、異業種からのアニメ参入が相次いでいる。

その1つが、ネット広告代理店大手のサイバーエージェントだ。2017年、同社は子会社であるゲーム会社「サイゲームス」とともにアニメファンドを組成。翌年には自社レーベル「CAAnimation」を設立した。同レーベルのゼネラルプロデューサー、田中宏幸氏は「アニメとゲームのメディアミックスを前提にオリジナルアニメを作っていく」と公言する。

既存アニメからゲームが作られることも少なくないが、その場合にはハードルがある。ゲームではある程度のキャラクター数が必要になってくるのだ。大人気アニメだとしてもキャラクター数が少なければ、ゲーム化することは難しい。

「ゲームでは登場人物のキャラクターが重要。そうした点をアニメのときから意識していく」(同)。現在ではアイドルをテーマにした「IDOLY PRIDE」を制作中。このプロジェクトには「ガールフレンド(仮)」などスマートフォンゲームの企画・開発を行うQualiArts社が参画しており、当初からゲーム化が織り込まれているようだ。さらに、グループで展開するネットテレビ「Abema TV」での放送や販促イベントの展開といった連携も見据えている。

同じくゲーム化を意識して本格参入したのが、DMM.comだ。サイバーエージェント同様、関連会社にゲーム会社DMM GAMESがあり、これまではむしろ人気ゲームをアニメ化する連動企画を行ってきた。

しかし「自分たちが作り出したゲーム作品をアニメ化しても、(キャラクターなどの)権利を自分たちで有していないために使いづらいことがあった」(DMM.com 棚田泰啓氏)。そこで同社のアニメレーベル「DMM Pictures」が、40作品以上に出資。自社でアニメ出資を行い、さまざまな二次展開を行いやすくした。2019年には舞台レーベル「DMM STAGE」も設立しており、アニメからゲーム・舞台への展開も見込む。

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