――緊急事態宣言が発令された4月は売り上げが大きく落ち込みました。
一番大きかったのは営業時間を短縮したことだ。通常は一部の店舗を除き、午後11時に閉店する店舗が大半だ。だが、緊急事態宣言が出てからは、夜の営業は原則午後8時まで、アルコールの提供は午後7時までとした。午後8時に閉まるとなると、夕食をそこで取るという話にはならない。コロナ前まで、スシローの売り上げ全体の6割を夜の時間帯(17時以降の夜の時間帯)が占めていただけに、影響はとても大きかった。
――現場で何が一番大変だったのですか。
店長らに話を聞くと、「アルバイトやパート従業員の勤務シフトをコントロールするのが難しかった」という声が多かった。
新型コロナの感染が広がる中で「できるだけ働きたくない」と思う人と、「生活があるので、できるだけ長い時間働きたい」という人がいた。その中で限られた時間をシフトとしてどう割り振っていくのかは、とても大変だった。
また、どれくらい売り上げが落ち込むかわからない最初の時期は、廃棄ロスも出た。そこで、定番商品を中心に据え、メニュー数を少し絞った。期間限定の商品などは、投入時期をスキップして、全体の仕入れをコントロールした。
「今しか取れない物件を探せ」
――5月の決算説明会では、今後の出店戦略について「ピンチをチャンスに変えていく」という発言がありました。具体的にどんな方針で進めていますか。
例えば、都心のビルでは大型の居酒屋が退店している。ロードサイドに目を向ければ、ファミレスが数百店という規模で閉店しているほか、紳士服系を中心にアパレルも苦労している。いい場所を持っていたところが、そこを空けるのであればそこを取りに行く。
店舗開発のチームには「普段でも取れる物件ではなく、今しか取れない物件を探せ」と指示している。足元では、実際にそういう物件が出始めている。
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