日産、久々の新型車「キックス」が担う重大使命 "国内軽視"路線から決別、新車攻勢の第1弾

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キックスはそのジュークの事実上の後継モデルで、国内でも人気のコンパクトSUV市場で日産が再び存在感を取り戻すという重要な使命を負っている。価格は275万9900円からという設定だ。

日産のSUVラインナップはジュークの国内販売が終了して以降、中型SUVの「エクストレイル」のみ。強みとする先進技術を前面に出して上手に訴求していけば、主力車に育つ素地は十分にある。

本格的な販売回復には要時間

ただ、国内の市場環境は新型コロナウイルスの影響で過去に前例がないほど悪化している。4月に緊急事態宣言が発令された後、外出自粛の動きが広がり、新車販売店への客足は遠のいた。日産の4月の国内販売は前年同月比39.2%減、5月は同44.9%減と激減。トヨタ(4月20.1%減、5月33.4%減)、ホンダ(4月19.5%減、5月45.1%減)と比べても影響は大きい。

6月には同21.3%減と改善したものの、以前から販売不振に陥っていたことを考えると、新型コロナが与えるインパクトは他メーカーと比べて深刻だ。キックスも新型コロナによって市場環境が不透明なことを理由に、販売台数目標を示せていない。

「国内販売は急速に戻ってきており、これが続けばもともと計画していた需要に戻ると期待している」(星野副社長)と言うが、コロナ第2波が襲来して自動車需要が再び底に向かう懸念もある。

今冬にもEVの新型SUV「アリア」を発売する。写真は2019年秋の東京モーターショーで公開された「ニッサン アリア コンセプト」(写真:大澤 誠)

7月にはEVの新型SUV「アリア」を発表し、今冬にも発売するほか、ノートやエクストレイルなど主力車の次期モデル投入が控える。矢継ぎ早の新車投入で攻勢をかけるが、2018年の完成車検査不正に始まり、ゴーン氏の逮捕、巨額の赤字計上などが続き、国内でのブランドは失墜している。

一度毀損したブランドを立て直すのは長い時間を要する。複数の新型車を出したところで販売がV字回復することは容易ではない。日産の本格的な再建に向けては、商品力を高めながら長い目線で着実に売っていくしか道はない。

岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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