あの「ウーバー配達員」が知るべき補償の仕組み 予期せぬ事故に遭った時にどうすればよいか

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話は戻りますが、Uber以外でも配達の仕事をしている人の場合は、「施設賠償責任保険」に入っていれば、配達職務中の賠償責任をカバーすることができます。どちらかというと企業向けのプランが多いのですが、Uber配達員のような個人事業主でも契約できるプランがありますので調べてみるとよいでしょう。

また、この6月1日から、デリバリーサービスの配達員が傷害補償を上乗せしたり所得補償を得たい際に利用しやすい保険サービスが登場しています。フリーランス、個人事業者や副業を営む会社員などが加入するフリーランス協会(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)が、シェアリング事業者向けに新設した福利厚生制度の第1号とのことで、Uberの配達員も利用できます。

年会費1万円を払うと入院や通院補償

具体的には、年会費1万円を払って有料会員になれば、日額1100円の入院補償と日額500円の通院補償が、24時間365日で付いてくるので、職務中だけでなくプライベートでもケガによる入通院補償が得られるというものです。

これだけ聞くと補償が物足りない印象ですが、任意加入の保険に団体割引価格で入れるメリットがあります。任意加入の保険には、24時間365日補償の【傷害補償】(死亡・後遺障害:最大300万円など)のほか、病気やケガで7日超働けなくなったときに月給形式でお金が受け取れる【所得補償】などがあります。

このほか、報酬トラブル時の弁護士費用を補償する保険「フリーガル」などが用意されています。Uberの保険だけでは【傷害補償】が足りないと思う人や、【所得補償】がほしい人は、ほかの保険とも比較したうえで検討してみてもよいでしょう。

以上、保険の面からの手当てについて見てきました。ただし、保険は万能ではありません。やはり、最善は、事故を起こさない、巻き込まれないことです。

そして、気がかりなのは、フードデリバリーの配達員による、信号無視をはじめとした危険な運転が目立つ現状です。自動車の交通違反では、軽い違反はいわゆる青切符で反則金を払っておしまい、というケースもありますが、自転車での違反は青切符の対象外。つまり罰則の対象となる違反に対して切られる違反切符はすべて赤切符なので、刑事上の責任を問われます。起訴され、有罪となれば罰が科され、前科がつくことに。

どうか、ご自身の将来のためにも、周囲を巻き込んだ事故を起こさないためにも、意識して法令遵守・安全運転を心掛けることを心から望みます。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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