ソニー、稼ぎ頭の半導体事業が迎える転換点

イメージセンサーの優位性をどう強化するか

ソニーにとって半導体事業は稼ぎ頭の1つ。ハード依存からの脱却を進めている(記者撮影)

スマートフォンなどに搭載されるカメラ向け半導体、CMOSイメージセンサーで圧倒的なシェアを誇るソニーが、ハードウェア依存からの脱却を図っている。ソフトウェアやサービスにも力を入れ、顧客の開発者にソニー製半導体の具体的な活用例を提案していく。

今年5月、画像センサーと信号処理AIが一体になったチップ「IMX500」を発表した。AI処理機能を搭載したイメージセンサーとしてはこれが世界初だという。IMX500を使うと、例えばショッピングセンターでの客の動きを分析したり、混雑状況を分析したりできる。

【2020年7月3日18時00分追記】初出時、「IMX500」の機能の説明が誤っていました。お詫びして訂正いたします。

IMX500の特徴はマイクロソフトの開発したクラウドプラットフォーム、アジュール(Azure)との連携がスムーズにできること。クラウドとエッジ(機器側)の間で効率的な仕事の割り振りが可能だという。ソニーは2019年5月にマイクロソフトと提携しており、今回の取り組みはその成果だ。

主戦場であるスマホ市場に懸念

ソニーにとって、半導体事業は全社利益の4分の1を生み出す稼ぎ頭だ。スマートフォンのカメラ向けイメージセンサーの分野では世界シェアの過半を握る。近年はカメラの多眼化や大判化が進み、搭載される半導体の量も増え続けている。2019年度の半導体部門の売上高は初めて1兆円を超えた。そのうち、9割近くがイメージセンサーだ。

だが、スマホ市場の見通しは必ずしも明るいとは言えない。スマホの販売台数は頭打ちになっており、足元では新型コロナウイルスの影響が深刻だ。5Gスマホの本格導入があるにもかかわらず、スマホメーカー各社は強気な販売計画を出せないでいる。ソニーは詳細な業績予想を出していないが、2021年3月期の半導体事業は減益となりそうだ。

カメラの高性能化も限界に近づきつつある。多眼化で奥行きのある画像の撮影などが可能になったが、今後はAR(拡張現実)や、顔認証など単に「撮影する」以上の機能をどのように加えるかが重要になる。

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