新規感染の大多数と指さされる「若者」の言い分 コロナ「新たな段階」に突入したアメリカ
ただし、年齢が若くても肥満や糖尿病などの基礎疾患があれば、重症化するリスクは高くなる。ヒメネス氏によると、公立の医療機関、ジャクソン・ヘルスシステムが治療しているコロナ患者の約3分の1が18〜34歳だが、うち半分は肥満指数(BMI)が高い。
テキサス州ダラス郡では、6月に入ってから18〜40歳の新規感染が全体の52%となり、3月の38%から跳ね上がった。反対に高齢者の割合は低下しており、ダラス郡では65歳以上の新規感染者数が全体に占める割合は6月に8%と、3月の16%から半減している。
若者の感染がとくに目立つのが、テキサス州立大学サンマルコス校のあるヘイズ郡だ。6月初めに371人だった感染者数は、6月下旬に2100人へと急激に増加。当局によると、うち半数以上が20代の感染だという。
クラブとかで遊んでる場合かよ
感染が広がるアリゾナ州では、住民の不安が高まっている。20〜30代も例外ではない。
アリゾナ州アーケイディアに住む31歳のイアン・バルチャックさんは、レストランで安心して外食する気分にはなれないと話す。自宅近くの店のテラスやバーに若者がたむろしているのを見て怖くなったそうだ。
「やりたいことと、やらなくちゃいけないことを分けて考えないと。プールサイドのビッグなパーティーやナイトクラブに友達と出かける必要が本当にあるだろうか」と、教育テクノロジー企業で働くバルチャックさんは問いかける。
だが、こうした考え方のせいで関係が気まずくなったこともあるという。「すしを食べに行こう」とか「カジノに行こうぜ」という友人の誘いを断ると、「おいおい、マジかよ」という反応が返ってくることもある。
「中には関係がギクシャクした友達もいる。会うのをやめたり、ちょっと怒ったりしたこともあるので」とバルチャックさんは言う。「免疫の弱いお年寄りを守ろうとか、経済を正常化できるように自分たちの感染リスクを下げようとか、そういうことは考えないのか、って」。
(執筆:Julie Bosman記者、Sarah Mervosh記者)
(C)2020 The New York Times News Services
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