新規感染の大多数と指さされる「若者」の言い分 コロナ「新たな段階」に突入したアメリカ
アメリカの新規感染者数は24日、3万6975件と1日当たりとしては過去最多を更新した。4月下旬に過去最多を記録してから2カ月後、アメリカの危機は新たな段階に突入したことを物語る。
中でも感染拡大が差し迫った脅威となっているのが、比較的早期に経済活動を再開した南部と西部の各州だ。アラバマ州、フロリダ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、テキサス州、モンタナ州、ユタ州は6月下旬、1日当たりで過去最多の感染者数を記録。25日現在、29の州で感染が増加している。
再開されたバーが感染源に
21歳のエイドリアーナ・カーターさんも、最近コロナに感染した。春の間ずっと、できるだけコロナにさらされないように対策をとってきたという。食事はテキサス州サンマルコスの自宅アパートでとり、店に出入りするときは必ずマスクを着用した。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」の抗議集会に参加したときも、参加者の多くがマスク姿だった。
ところが、オンラインの夏期講習と眼科での仕事に追われた6月上旬の1週間はとりわけ長く感じられ、ある土曜日の夜、カーターさんはリスクを冒して人気のバーが集まる繁華街に友人と繰り出した。とくに混み合っている場所は避けるように気をつけていたが、店内で飲むのが目的だったし、テキサスの高い気温が不快だったこともあってマスクは着けないことにした。
数日後、友人は体調不良で目を覚ました。検査を受けると、2人とも陽性反応が出た。
レッドフィールド氏によれば、若年層がコロナに感染しても「入院や死亡につながる可能性は必ずしも高くない」。しかし「彼らは重症化リスクの高い人々にも実際にウイルスを広げている」。
感染のホットスポットとして懸念が強まっているフロリダ州では、再開されたバーが若者の感染源となっている。フロリダ州は、オーランドのセントラルフロリダ大学近くにある人気店「ナイツ・パブ」で常連客28人と従業員13人の感染が確認されると、このバーを封鎖した。
フロリダ州マイアミ・デイド郡では18〜34歳の感染が1カ月で5倍に膨れあがり、1000人を突破した、とカルロス・ヒメネス郡長が6月下旬に語っている。「自分たちは感染しない、と彼らは思っている」とヒメネス氏はコメントし、若者の間では無症状感染が多い、と言い添えた。