「クルマの価値観」は、コロナでどう変わったか

暮らし方の変化でクルマニーズが増える理由

ビジネスに与える影響も大きい。リフォームを含めた住宅、家具などの販売が活性化し、ニーズが減る都市部の住宅は、価格を下げるかも知れない。東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県の2020年1~3月における地価変動率を見ると、住宅地はプラスだったが商業地はマイナスであった。今後は東京都を中心に、住宅のニーズも減って地価が下がる可能性も、十分に考えられる。

クルマに対する考え方も変わる。勤務先に近い都市部に住むと、公共交通機関を使いやすい半面、駐車場の料金は高く、東京23区内では月極め駐車場が1カ月3万円を超えることも珍しくない。それだけで年間36万円以上の出費になる。

東京23区内では月3万円を超える駐車場も珍しくない(写真:YNS/PIXTA(ピクスタ)

クルマを維持するための各種の税金、自賠責保険料、メンテナンス費用などは、1.3~1.5リッターエンジンを積んだ小型車の場合でも、1年当たりの平均で約15万円になる。駐車場料金と合計すれば、50万円以上だ。この金額を節約するためにクルマを手放す人も多い。

郊外に住むなら、月極め駐車場は1カ月に1万ほど。安いところでは5000円などというところもある。駅から離れていればクルマが必要で、リモートワークを終えた6時以降の買い物にも重宝する。

この変化によって、生活のツールとして使いやすい軽自動車、コンパクトカー、比較的ボディの小さなSUVが売れ行きを伸ばすと考えられる。とくにコンパクトSUVは、まだまだ新鮮味のあるカテゴリーで、リモートワークを軸にした新しい生活感覚にも合う。

最初の価値観の変化は「バブル崩壊」にあった

この流れは「通勤電車型の価値観からマイカー型への変化」とも言い換えられる。

戦後から1980年代までは、大勢の人たちが1つの方向に同じ考え方で進む通勤電車型の価値観を持っていた。年功序列で終身雇用、保険なども国が監督してサービスや保険料は統一された護送船団方式だ。住居は団地が増えて、皆が同じ場所で同じような生活を送る。それですべてが幸福に成り立った。

この価値観を変えたのが、1990年代初頭に訪れたバブル経済の崩壊だ。

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