8億円でキリモミ降下、自壊する「みんなの党」 渡辺喜美代表が辞任、このあとどうなる?

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「松沢成文氏が出馬するかもしれない。マークしろ」

議員懇談会が開かれている間、外で待つ記者の間でそのような会話が交わされた。松沢氏は参院議員としては1年生ながらも、衆院議員を3期と神奈川県知事を2期務め、その前に神奈川県議も経験している。新人議員が多いみんなの党の中でその政治キャリアは抜きんでていたからだ。

実際に懇談会を終えて出てきた松沢氏は、上気した顔に満面の笑み。石原慎太郎氏から東京都知事を禅譲されたとき、記者団に囲まれた猪瀬直樹前知事が見せた表情を彷彿させた。

松沢氏、立たず

だが松沢氏は出馬を否定する。いち早く浅尾氏が出馬を表明したため、勝ち目がないとあきらめたと報道された。だが松沢氏は、「もっと大きなことをやりたい」と周囲に漏らしていた。ある関係者はこう述べている。「新代表になって党を立て直すためには、まず渡辺氏を切らなくてはならない。松沢さんが、参院選出馬の際に世話になった渡辺氏を切れるはずもない」。

代わって出馬に意欲を見せたのが、13年の参院選で初当選した薬師寺道代氏だ。

薬師寺氏は渡辺夫妻と極めて親しく、昨年の党分裂騒動では怪文書に「渡辺氏が全国比例に出馬した甥の美知太郎氏の名前を薬師寺氏のポスターに入れるという名目で、1000万円を振り込んだ」と書かれたこともある。

「党のために出馬を決意した」──。翌日に代表選を控えた10日、記者団に囲まれて薬師寺氏はこう述べた。だが、彼女はわずか2名の推薦人ですら集められなかった。立候補受け付け直前まで粘ったが、結局出馬はかなわなかった。

「彼女の背後にまゆみ夫人が付いているから、誰も応援しない。側近の松田(公太)や柏倉が推薦人になってやればよかったのに」

党内からそんな皮肉も聞こえたが、すでに渡辺氏側が劣勢になった現在、いくら側近といえども流れに逆らうのは得策でないと彼らも判断したのだろう。それでも代表選で薬師寺氏と松田氏は、仲良く隣同士で座っていた。

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