ハッキリ物言って嫌われる人・好かれる人の差 部下が雑な仕事をしたときにどう注意するか
彼(彼女)に、お客さんに提出するプレゼン資料のプリントアウトを頼んだとしましょう。「できました!」と、その子から自信満々に渡された数十枚の紙の資料の印刷が、ズレまくっていた。最後に紙をまとめるときに、「トントン」とそろえた形跡もなく、紙がズレたまま、ホチキスで止められていたとしたら――。
「なんやねんコレ、やり直し!!(怒)」って言いたくなりますよね。ズバッと叱りつけたい気持ち、痛いほどわかります。
けれど、いまどきそんな言い方をしたら、即、パワハラ認定。そこまでいかずとも、頭ごなしに叱られたら、言われた相手は心を閉ざしてしまう可能性が大でしょう。後から「あの人はすぐキレる」と陰口を叩かれたり、ツイッターでぼろくそ言われるのは避けたい、ですよね?
だからといって、黙っていたらこちらのストレスがたまる。それ以上に、まずい仕事をしている部下を野放しにすることになります。相手の成長の機会をつぶすことになるし、周囲やお客さんに迷惑をかけることになってしまいます。
たったひと言で十分伝わる
私ならそんなとき、こんなパターンで返します。
「雑っ!」
ひと言、ズバッと、です。怒っていないし、キレていません。単にただただ驚いているのです。「雑すぎる仕事」という「ボケ」への「つっこみ」と言ってもいいでしょう。
相手を叱ったのでもなく、ただその仕事っぷりを見て、私が驚いたわ、という感想を「雑っ!」と表明しただけです。言葉の調子は強くても、相手への非難ではありませんから、相手も周囲もそこまで嫌な気持ちにはなりません。しかし、言いたいことは十分に受け手には伝わります。「そうか! しまった、雑だったか」と。
あるいは、「やばい! 手を抜いたこと、バレてる!」と思うかもしれません。そして、「人を驚かせてしまうほど雑な仕事ぶり」に気づき、自分が恥ずかしくなるのではないでしょうか。
大事なのは、気づいてもらうこと。気持ちが伝わること。もちろん、ガツン! と怒っても、優しく丁寧に1から教えても、一緒かもしれません。ただし、その方法はこちらのパワーや時間も削られるでしょう。
それに比べて「驚く」だけ。これは、パワーも時間も不要、嫌われるリスクも低いのに、瞬時に相手に伝わる……。なんて自分エコ! 最高やん! ただし、嫌みな言い方はNGです。あくまでも素直な心で軽く発動すること。そして、その後くどくど言わないこと。
それさえ守れば、相手も素直に「次はもう少し丁寧に仕事しよう」と自然と思ってくれるはず。なにせ次に同じことをしたら、また驚かせてしまう。場合によっては、それこそ怒らせてしまうかもしれない、と「学習」してもらえるからです。
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