電車の「顔つき」を左右する決定的要素とは何か

貫通扉、表示幕、窓の形状…、さまざまな要因

(左から)非貫通に左右非対称を取り入れた 201系 (写真:村上悠太)、「オーシャンアロー」の車両愛称でイルカの顔のような283系(写真:村上悠太)、 “顔文字”も想起させる西武鉄道スマイルトレイン(写真:杉山 慧)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2020年8月号『「電車の顔」は何で決まる?』を再構成した記事を掲載します。

鉄道車両のデザインにおいて、色彩とともに多くの人が関心を持ち、とりわけ鉄道ファンとして好き嫌いの最大の評価の分かれ目となるのが先頭部、前面の造形である。本来は無機物なのに擬人化して捉える人が多いのも、この前面による。だいたいは左右対称で、運転台の窓の形とライトの配置によって何かの顔に見えてしまうということであるが、色の印象も手伝って「青ガエル」や「ネコ目」などと親しみを込めてあだ名される。まさしく電車の「顔」である。

電車の顔の作り方

正面から見た場合、顔に見立てて目に該当するパーツは窓である。運転席という機能から考えても一定の大きさや形状が必要であるが、2つが横に並んだ場合は目を想起しやすいし、大型一枚窓でもゴーグルをつけたように見える余地がある。一方、蒸気機関車を正面から見ても顔に結び付かないのは、前面に窓がないからであろう。戦前型の電車は、運転台の窓が側面と同じくらいに小さく、中央の貫通ドアの窓とあわせ三枚窓というのが一般的であった。80系湘南電車も最初は前面三枚窓で登場した。

以前の電車の窓が小さいのは、大きなガラスをつくるのが難しかったということもあろう。高性能電車の先駆けとして登場した101系電車は、通勤電車ということもあり切妻、箱型、前面上部中央のおでこにあたる部分に前灯1つのシンプルな顔であった。前面の窓は平らな板ガラスであったが、3枚をつないで視界を広げ、印象は大きな一枚窓であったが、顔に例えるのは難しくなった。続いて登場した153系電車では、側面に回り込むパノラミックウインドーが採用され、ちょっと陽気な顔になったかもしれない。

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