フジ・産経「世論調査捏造」を生んだ根深い病巣 世論調査の当事者が語った衝撃の現場実態

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こうした現状を受けて、調査員の質も低下傾向にある。そのため、調査員はアルバイトなどに頼ることが多いのが実情ではあるが、「いつもやってくれていて、信頼できる人に継続してお願いする」ことが大切なのだそうだ。

そうした信頼できる調査員も、仕事のキツさなどもあって、応募してこなくなる人も多く、確保しにくくなっている。そして彼自身、過去にはこんな経験をしたこともある。

「私も以前、選挙の調査を担当していたときに、調査員が調べもしないで勝手に自分で調査票に入力してサンプル数を増やしたことがあって、それを見抜いたことがあります。調査は偽造したら、意外と集計時にわかるものなのです。人為的な偏りが出てしまうので。しかし、調査会社に丸投げしていたら、わかりません。ですから本当は、調査は新聞社や放送局が主導して、信頼できる調査会社に依頼して行うのが大切なのです」

つまり、「調査員による結果の捏造」が現場では実際に起きているのだ。調査という仕事がキツい仕事であり、調査員が人手不足で、なり手が少なくなっている以上、こうした捏造をしてしまう調査員が出てきてしまうこと自体は、ありえることなのだろう。

とはいえ、そんな場合でも、経験豊富で調査や統計に明るい担当者であれば、「人為的な偏り」を見抜いて、疑いを持つことが可能なのだ。言うなれば、豊富な経験を持つメディア側の担当者が、その担当者が信頼できる調査会社に調査を依頼することによって、世論調査の正しさは担保されているのが実態らしい。

風当たりが強まるメディア側の担当者

今回のFNN・産経新聞合同世論調査は「昨年5月、合同世論調査の業務委託先について、それまで長年契約していた調査会社との契約終了に伴い、アダムス社に変更した」(6月19日付「産経ニュース」)という。はたして、フジテレビ・産経新聞と、この調査会社の間にどのくらいの信頼関係があったのかという点も気になるところだ。

また、メディア側の担当者に対しても、社内での風当たりは厳しくなってきているという。

「調査会社が捏造したら、意外とすぐわかるものですが、それを見抜く能力のある人が軽視されているんだろうなという気がします。私自身がそうでしたから……。かつては調査予算が潤沢にありましたが、最近は減少傾向にあるのではないでしょうか。一部の新聞社などを除き、世論調査に対して理解のない人が増えてきているのも事実です。特に今のテレビ局で調査を熟知している人は、民放にはほとんどいなくなっています」

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