中国「サーモンからコロナ感染」疑惑の大波紋 専門家は魚から人への感染可能性には懐疑的

✎ 1〜 ✎ 32 ✎ 33 ✎ 34 ✎ 最新
拡大
縮小

これまで全世界で報告されている新型コロナの動物感染例はすべて哺乳類であり、しかも人から動物という経路で感染している。米国ではトラ5頭、ライオン3頭、ペットのネコ2匹の感染が報告されている。

香港ではイヌ2匹とネコ1匹の感染報告

香港ではイヌ2匹とネコ1匹の感染が報告されており、中国科学院武漢ウイルス研究所がプレプリント(査読前論文)プラットフォームのbioRxiv上で発表した研究によると、武漢地区の102匹のネコをランダムに採集して血清検査を行なったところ、15匹のネコの血清から新型コロナに感染した証拠が見つかった。ベルギーでもペットのネコ1匹の感染が報告されている。

新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」を無料公開中です(画像をクリックすると週刊東洋経済プラス緊急リポートのページにジャンプします) 

6月10日の時点で、オランダで10を超える養殖場のミンクに新型コロナの感染が発見された。オランダ農務部は現地時間の5月20日に、大規模ミンク養殖場で発生しているミンクの新型コロナ感染に関する段階的な研究結果を発表し、新型コロナが半水生の齧歯目の哺乳類であるミンクから人へ感染しうることを明らかした。これは今までで唯一報告されている、動物から人へ新型コロナが感染する可能性がある事例である。

(財新記者:徐路易、陳麗金)

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT