コロナウイルスは通常、哺乳類や鳥類などの恒温動物の気道や腸管に感染するが、これまでの研究結果では変温動物がコロナウイルスに感染することは証明されていない。
次に魚類は変温動物であり、人は恒温動物であるが、一般的に遺伝分類上近い種ほど共通の感染症に感染しやすくなる。種の体温制御メカニズムから言うと、恒温動物間で共通感染症に感染する確率は恒温動物と変温動物の間における感染率よりも高い。遺伝分類上の魚、ヘビ、カメ、スッポンなどを含む変温動物と人との差は、鳥獣と人との差に比べてはるかに大きい。
処理の過程で汚染された可能性
英国グラスゴー大学のウイルス学者であるデビッド・ロバートソン氏は、「新型コロナの大流行後、哺乳類や鳥類以外の種に感染するという証拠は見つかっていない」と述べた。変温動物にも哺乳類の新型コロナ受容体であるACE2(アンジオテンシン変換酵素II)と共通の重要なアミノ酸遺伝子座をいくつか有するが、総合的に言えば両生類や爬虫類と哺乳類はそれほど密接な類縁関係にはなく、この受容体全体の類似度も共通のコロナウイルスに感染できるほど高くない。
米国ペンシルバニア大学医学部副研究員の李懿澤氏は、サーモンから新型コロナが伝染することはなく、魚をさばいたり切り身にしたりした人がウイルスに感染していて魚が汚染された可能性が高いと財新の記者に述べた。長江水産研究所副所長の陳大慶氏も財新の取材に対して、一般的に陸生生物と水生生物の疾病は交わらないと述べた。ウイルス学者で中国疾病予防管理センターのエイズ専門家首席である邵一鳴氏も財新の記者に対し、サーモンが新型コロナに感染することはありえないと述べた。
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