「ディズニープラス」日本で成功するための条件 世界では半年経たない間に会員5000万人突破
あるSVODの関係者は「利用者は確実に増えている。特に顕著なのが、昼間の視聴が伸びたことだ」と語る。昼間の視聴は幅広い層で見られるが、休校の影響もあり、学生や子どもの視聴が増えているという。
これまでSVODは、いわゆる”韓流”などの海外ドラマや、アニメーションなど、特定ジャンルのマニアックな視聴者層に支えられてきた側面がある。それが徐々に一般層に浸透してきたが、今回の新型コロナでその流れが加速しつつある。
「自宅でできることは、ゲームか、動画を見ることぐらい。そんな中でネットで動画を見るということが、確実に選択肢になっている」(同)。この4月、5月はライトユーザーが増え、知名度の高い過去の作品や、「ペイワン」と呼ばれる、劇場公開から日が浅く、はじめてSVODに登場する映画作品の人気が高いという。
巣ごもり消費でフォローの風
こうした環境はディズニープラスにとって、間違いなくフォローの風になる。ディズニーは3月下旬に欧州の8カ国、4月はじめにインドでサービスを開始、契約者を一気に増やした。SVOD事業者には、新型コロナによる被害が大きく、都市封鎖のあったエリアほど契約者の伸びが大きいという指摘もある。
ディズニーはテーマパークが閉鎖に追い込まれ、映画制作がストップするなど、新型コロナによって多大な影響を受けた。その中でディズニープラスは、ディズニー全体にとっても、消費者にアプローチする要なチャネルの1つになっている。
今回、ディズニーは日本進出にあたって、「ディズニーデラックス」のときと同じようにNTTドコモとパートナーシップを組んだ。
そこには日本市場特有の事情もありそうだ。ライバル他社を見渡しても、アマゾンプライムはNTTドコモと、ネットフリックスはauと、それぞれ販売面で連携している。日本ではSVOD事業者が、大手通信事業者と組むことで契約数を伸ばしている。たとえば提携関係にあれば、スマートフォンにアプリを事前にインストールしてもらうこともできる。ドコモと引き続きパートナーを組むのは、ディズニーが市場特性に合った戦略を重視する結果といえる。
ただ、ディズニーにとって、日本市場の攻略は簡単なことではない。
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