アメリカでもニューヨークや、ワシントンDC、ロサンゼルスなどの大都市では多くの人がマスクをつけているが、トランプ支持者が多い南部や中西部の州ではマスクをしている人は少ないという。日常生活でもトランプにならってマスクをせずに出かけ、スーパーマーケットなどでマスクをしている人を見ては、笑い飛ばす人もいるというのだ。
「テレビのインタビューで、どうしてマスクをしないんですかとの質問に、『私は神を信じているから全然コロナなんか、かからないんだよ!』という答えが返ってきたりします。テキサス州ではマスクをしているとスーパーに入れないところもあって、マスクを外してくださいと言われたり、州によって全然違うのです。トランプ大統領は、マスクは格好悪いという印象を国民に植え付けようとしているといえますね」(同上)
アメリカの公衆衛生局が「マスクをしてください」と言っているのに大統領が従わない。スーパーマーケットの店員が「マスクをしてください」と言ったら銃で撃たれたという事件も起こった。
また、「フリーカントリーに生まれたからマスクなんてしなくていいんだ!」と、店員を罵りながらビデオを撮ってFacebookに上げたら逆にその人が炎上、「フリーカントリーって、何様だ!」と叩かれた事件も起こっている。
民主党のバイデン候補との”罵りあい”
大統領選挙を11月に控え、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン候補の戦いはすでに始まっている。新型コロナウイルスの感染を避けるため、自主隔離を行っていたバイデン候補は、5月下旬のメモリアルデーに黒いマスクをつけ、約2カ月ぶりに姿を現した。
トランプ大統領はバイデン氏に対して「天気のいい屋外でマスクを着用したのはかなり異常」とツイートし、バイデン氏のマスク姿の写真をリツイートした。一方のバイデン氏は、トランプ大統領が最近の公のイベントでマスクを着用しないことについて「本当のバカ」だと批判して、火花を散らしている。
こうしたマスクを巡る両者対立のニュースが拍車をかけ、マスクをしている人がバイデン派、マスクをしない人がトランプ派のような見方にすらなっている。
それが顕著なのはテレビメディアで、アトランタの黒人暴徒の取材でも、CNNやMSNBCはマスクをして現地からレポートしているが、共和党寄りのFOXの記者はマスクをしていない。メディアも二分して、マスクのあるなしが政党支持のバロメーターになっているのだ。
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