ROE・効率性重視では製造業が生き残れない理由

不確実性とダイナミック・ケイパビリティ  

不確実性の高い世界で、製造業はどのような経営戦略をとるべきなのか(写真:yoh4nn/iStock)
新型コロナの拡大は、中国からの部材調達がストップするなど、サプライチェーンにも多大な影響を与えている。
将来が予測困難な世界において、製造業はどのような経営戦略をとるべきなのか。
評論家の中野剛志氏が「不確実性」と「ダイナミック・ケイパビリティ」をキーワードに読み解いていく。

問題はパンデミックそれ自体ではない

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、世界の様相を一変させると言われており、早くも「ポスト・コロナ」社会の「ニュー・ノーマル(新常態)」についての議論が活発に行われている。

もちろん、そういう議論は必要である。ただし、問題の本質を見誤ってはならない。

例えば、中国武漢で感染爆発が起きた際、中国からの部材の供給が途絶したため、製造業のサプライチェーンを見直すべきだという声が高まった。その問題意識は正しい。しかし、中国から移した新たな製造拠点の国で、自然災害や戦争など別の危機が発生したら、再びサプライチェーンを見直さなければならなくなるだろう。

要するに、問題は、パンデミックそれ自体ではない。予測困難な激変が突然起きるという「不確実性」こそが、問題なのである。

「不確実性」には、パンデミック以外にも、自然災害、地政学的紛争、サイバーテロ、破壊的な技術革新、政治の不安定化など、いくらでもある。最近では、ブレグジットや米中貿易摩擦などが挙げられる。

次ページ「不確実性」は製造業にとって最大の敵
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ブックス・レビュー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT