日本人の「命と健康」は生産性向上でのみ守れる 「アベノミクスの生産性向上」はもう限界だ
人口減少・高齢化の危険は「コロナと同レベル」以上
今、日本をはじめ世界中が、新型コロナの脅威にさらされています。一刻も早い終息を祈るばかりです。
ところで、実は日本はもう何十年間も新型コロナと同レベル、いえ、それ以上の危機に晒されていると言ったら、驚かれるでしょうか。しかし、残念ながらそれは事実です。その脅威とは、人口減少と高齢化です。
「コロナ禍では、実際に多くの人が亡くなっている。人口減少・高齢化と比べるのは不適切だ」
そんな意見が聞こえてきそうです。しかし、その指摘は間違いだと言わざるをえません。違いは「危機が迫ってくるスピード」だけで、対策を打たなければ尊い命が失われることに変わりはありません。
日本の生産年齢人口は、2015年の約7682万人から、2060年には4418万人にまで激減します。減少幅は、実にマイナス42.5%にものぼります。一方、高齢者は同じ時期に3395万人から3462万人へと、むしろ若干増加することが予想されているのです(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」出生中位・死亡中位推計)。
高齢者が減らないことは、彼らの年金・医療を支える社会保障負担も減らないことを意味します。その負担が、激減する生産年齢人口の肩にのしかかるのですから、何も対策を打たなければ到底、持ちこたえることはできません。
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