放火、略奪、破壊「黒人暴行死」の抗議が大騒乱に

全米に広がり、暴徒化したデモ隊と警察が衝突

 米中西部ミネソタ州ミネアポリス近郊で黒人男性が白人警官から首を圧迫され死亡した事件への抗議活動は5月31日、全米数十の都市に広がり、各地で暴徒化したデモ隊と警察が衝突した。ホワイトハウス前で撮影(2020年 ロイター/Jim Bourg)

[ミネアポリス 31日 ロイター] - 米中西部ミネソタ州ミネアポリス近郊で黒人男性が白人警官から首を圧迫され死亡した事件への抗議活動は全米数十の都市に広がり、各地で暴徒化したデモ隊と警察が衝突した。主要都市では31日、夜間外出禁止令が出された。

ミネアポリス近郊の閉鎖中の州間高速道路では同日、タンクローリーがデモ隊に突っ込む事件が発生。ロイターの目撃者によると、運転手はデモ隊によって運転室から引きずり出され、暴行を受けた。その後、警察に拘束された。

ミネアポリス公安局はツイッターへの投稿で、タンクローリーが突っ込んだのは「平和的なデモを扇動する非常に憂慮すべき行為」とし、運転手は負傷したが命に別状はなく、タンクローリーに衝突されたデモ参加者もいなかったようだと明らかにした。

一連の抗議活動の発端は、ミネアポリス近郊で25日、白人警官が黒人のジョージ・フロイドさんを逮捕する際に膝で首を地面に押し付け、フロイドさんがその後死亡した事件だ。

デモ隊が暴徒化、警察が強制排除に

当初は平和的な抗議活動が繰り広げられたが、各地で暴徒化したデモ隊が店舗の窓ガラスを割ったり放火したりするのに対し、警察はゴム弾や催涙ガスを使って強制排除に乗り出した。デモ参加者の多くはマスクを着用しておらず、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念も高まっている。

30日夜は、アトランタ、ロサンゼルス、フィラデルフィア、デンバー、シンシナティ、ポートランド、ルイビルなど複数の主要都市で夜間外出禁止令が出されたにもかかわらず、デモ隊による暴力行為が広がった。

フィラデルフィアは31日、夜間外出禁止令を午後8時から同6時に早め、全ての事業所に閉鎖を指示した。現地テレビではデモ隊が警察車両を攻撃し、放火する姿が映し出された。

首都ワシントンのあるコロンビア特別区は、ホワイトハウス近くで2夜連続で警察とデモ隊が衝突したのを受け、夜11時に外出禁止令を敷いた。

このほかシカゴ、シアトル、ソルトレークシティー、クリーブランド、ダラスなどでも抗議活動が行われ、暴徒化したデモ隊が店舗のオーナーに暴行を加えるなどした。

ニューヨークでは30日夜から31日にかけて約350人が逮捕され、警官30人が軽傷を負った。警察の車が物を投げるデモ隊の中を進む様子をとらえた動画も拡散し、デブラシオ市長は警察の行為について調査を行うと表明した。

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