放火、略奪、破壊「黒人暴行死」の抗議が大騒乱に 全米に広がり、暴徒化したデモ隊と警察が衝突

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ミネアポリスや隣接する州都セントポールでは放火や略奪、破壊行為が5日間続き、ミネソタ州知事は30日、第2次世界大戦以来初めて州兵を総動員すると発表した。

セントポール市長は、約170の店舗が略奪にあい、放火によって焼失した店舗もあると述べた。

小売大手ターゲットはミネソタ州の30店舗を含む100店舗を閉鎖すると発表した。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は31日、現時点では州兵を連邦政府の監督下に置かない方針を示した。

トランプ大統領は同日、反ファシズムを掲げるグループ「アンティファ」が暴力をあおっているとしてテロ組織に指定する方針を示した。アンティファのメンバーがどの程度デモに参加しているかは不明だ。

トランプ氏は同日午後にツイッターへ投稿で「民主党の市長と州知事は厳しく取り締まるべきだ」と訴えた。「相手は無政府主義者だ。州兵をすぐに動員すべきだ。世界は見ており、あなた方や寝ぼけたジョーのことを笑っている」とした。寝ぼけたジョーは米大統領選の民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領を指す。

デモは国外にも拡大

警官による暴行に抗議するデモは国外にも広がり、ロンドンでは31日、トラファルガー広場に集まった数百人が「正義がなければ平和はない」などと訴えた。ベルリンでは米国大使館周辺で、フロイドさんの事件に関わった警官の処罰を求める抗議活動が行われた。

1日にはニュージーランド、オーストラリア、オランダでも抗議活動が行われた。

フロイドさんの首を膝で地面に押し付ける様子が動画でとらえられたデレク・ショビン容疑者は殺人容疑で訴追されたが、現場にいた同僚の警官3人は訴追されておらず、デモが収まる兆しは見られない。

米国では2014年にミズーリ州ファーガソンで黒人のマイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺された際にも抗議活動に発展しており、政治・人種的な社会の分断が浮き彫りになっている。

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