コロナでも障害者施設を閉所できない深刻事情 何が起きているか分からない入所者もいる

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――いま、世の中に伝えたいこと、知ってほしいことはどんなことですか。

やっぱり障害者施設の現状をより多くの人に知ってもらいたいです。

少し前に、障害者施設で集団感染したことがニュースになっていましたが、一人でも感染者が出れば一気に広がってしまう。僕らの施設もそうなるのは、時間の問題だと思っています。

そうしたリスクを認識しながらも、なぜ施設を閉めないのかといえば、やっぱり障害のある人たちにも生活があるからです。それに閉めてしまえば、今度はグループホームにしわ寄せがいってしまう。

「集団感染は時間の問題だと思っています」

現在、障害のある人に関する報道は施設で集団感染したというニュース以外はほとんどありません。でも、僕らの施設と同じようなことが、いま全国の施設やグループホームで起きているんです。

――ご自身も、ご家族と緊急事態宣言の発令以降、会えていないということですが。

僕は子どもがいるのですが、東京都内に緊急事態宣言が発令された4月頭から、妻には子どもと一緒に実家に帰ってもらっています。この状況で僕自身が感染しているかもしれないですからね。

娘はまだ生まれて8ヶ月なので、会えないのはやっぱり寂しい。妻から動画を送ってもらっていて、最近はつかまり立ちができるようになりました。施設を閉めてもらえたら僕も家族と一緒にいられるけど、そういうわけにはいかない現実がある。

何より辛いのは、これがいつまで続くかわからないことです。医療従事者をはじめとする方々も同じような状況だと思うのですが、僕らのような人たちもこういう状況にあることを、少しでも多くの人に知ってもらえたらなと思います。


本記事は、2020年5月1日の取材時の情報に基づくものです。

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「リディラバジャーナル」編集部

「リディラバジャーナル」は社会問題の現場を訪れるスタディツアーを提供しているリディラバが2018年1月に立ち上げたウェブメディア。社会問題を見続けてきたリディラバの知見をもとに、問題の背景にある社会構造まで踏み込んだ、特集形式で記事を提供する有料メディアです。

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