「ファーウェイ」米国の制裁強化でも強気な理由 国際会議の参加で見えてきた欧州重視の態度
Q:この1年、アメリカの輸出規制を受けてもなお、ファーウェイの業績は悪くなかった。今年の業績をどう予想するか。高機能スマートフォンのチップ調達で、どのような問題が起きるか。ファーウェイのスマホ出荷台数目標は修正されるのか。(アメリカ金融メディアのブルームバーグ)
郭平輪番会長:アメリカがファーウェイをエンティティリストに入れ、事業は大きな影響を受けた。実は昨年も事業計画を達成できておらず、年初の計画に120億ドル(約1兆2900億円)ほど届かなかった。四半期ごとに成長率が落ちており、影響は小さくない。特に、契約の獲得が以前よりかなり難しくなっている。だから、変わらず付き合ってくれる顧客には非常に感謝している。
(規制強化については)2日前にルールが変わったばかりで、今精査を進めている。ファーウェイはICT(情報通信技術)の設備・端末メーカーとして、集積回路(IC)も含めた製品の設計能力はあるが、まだまだ不足している点も多い。ファーウェイの現在のキーワードは「生き残ること」だ
欧州の通信キャリアをサポートしていく
Q:ファーウェイの欧州での成長計画、特にICTと、独自のアプリ開発プラットフォームであるHMS(ファーウェイ・モバイル・サービス)のエコシステム(各製品群やサービスの連携)の構築について知りたい。(ドイツの戦略コンサル、ローランド・ベルガー)
汪涛氏:ファーウェイは欧州市場で長くビジネスを展開し、欧州の顧客・パートナーと共に欧州のデジタルテクノロジーやデータを活用した経済活動の発展に努めてきた。ICT技術分野は、5G、AI(人工知能)、コンピューターによる情報処理、光通信などにおいて、パートナー企業とイノベーション創出、ソリューションの提案を続けていく。欧州の通信キャリアや政府・企業が世界をリードする通信インフラやコンピューターによる情報処理のインフラを構築することをサポートしていく。
汪厳旻氏: 2019年5月16日以降、われわれはグーグルのモバイルアプリ機能である、GMS(グーグル・モバイル・サービス)が使えなくなり、HMSエコシステムの開発を迫られることになった。この1年、HMSエコシステムを拡大し、とりわけ開発者、サービスプラットフォーム、技術などへの投資を増やした。
2020年1~3月期までに、HMSエコシステムに参画した開発者は140万人を超え、2019年初期から150%増えた。また、地図機能では欧州のTomTom、検索システムではフランスのQwant、ニュース機能ではNewsUKというように、欧州企業とは全方位的な協業を展開している。
新たなエコシステムの構築には何はさておき現地の消費者ニーズに応えなければならず、アプリやプラットフォームのローカル化もエコシステムの重要な戦略となる。今後は欧州の開発者やパートナー企業にサービスプラットフォーム、イノベーションラボを提供し、エコシステムへの参加を促していく。
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