「ファーウェイ」米国の制裁強化でも強気な理由 国際会議の参加で見えてきた欧州重視の態度
Q:アメリカが輸出規制を発動して1年が経つ。この1年、どうやって成長を維持してきたのか。今後の挑戦は何か。(中国国営テレビCCTV)
郭平輪番会長:困難とチャレンジの1年だった。2019年5月16日、アメリカの(輸出管理法に基づき、国家安全保障や外交政策上の懸念があるとして指定した企業を列挙した)エンティティリストに掲載されたと聞き、とても動揺したのを覚えている。
その後、顧客、パートナー企業、そしてファーウェイの従業員への説明、コミュニケーションに多大な時間を使った。また、技術面で巨大な制約を受ける中、研究開発への投資額を30%増やした。その多くは、例えるなら「飛行機に開いた穴をふさぐ」作業に投じられた。
6000万行を超えるコード(プログラムの設計図)を書き直し、新しい基盤を1800以上作った。材料の代替調達方法を考えることも含め、多くの努力、コストを費やした。幸い、顧客やパートナー企業、従業員の大部分からは信任と理解を得ることができた。
この過程で、われわれも経験を積んだ。このようなはっきりしないルールに基づくアメリカの規制が続いても、努力して解決策を導き出せると自信が持てるようになった。
米国企業はライバルにもならなくなった
Q:おそらく世界のテクノロジーは2つに分断されるだろう。1つはアメリカ主導で、アメリカに認可された半球。もう1つは、アメリカの技術に依存しない半球。ファーウェイは後者の市場で十分に成長できるのか。成長のために、何をするのか。(英誌エコノミスト)
郭平輪番会長:統一された標準が存在するのがいちばんよい、それが産業界の共通認識だと思う。2Gや3Gの時代、海外に行ったり、地域をまたぐときに、われわれはしばしば、携帯電話を替えなければならなかった。規格が異なるからであり、とても不便だった。5G(第5世代移動通信システム)の時代になり、その問題が解消された。
2G時代、アメリカはキャリアによって規格が違い、それが原因となりアメリカの通信設備メーカーは競争の中で衰退していった。ファーウェイのライバルにもならなくなった。アメリカはそれを教訓にしているのではないか。一方欧州は(2Gの通信規格である)GSMを世界に広げていき、欧州のキャリアと通信設備メーカーは大きな利益を得た。
これらの経験をみると、メーカー、キャリア、消費者はいずれも統一された標準から恩恵を受けられることは明らかだ。皆、同じ認識ではないだろうか。国際組織は標準作りに積極的に取り組むだろうし、ファーウェイもそこに積極的に参加する。オープン、公平、偏見を持たないという基本原則に基づき、グローバル標準の実現に寄与していく。
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