「子持ち離婚」で損する人が多いのはなぜなのか

離婚検討段階から将来設計をする重要性

子育て中の場合、離婚の手順を誤ると経済的に苦しくなります。そのため、FPに相談することで事前にリスクを把握しておくのです。離婚に伴いどのくらい生活が苦しくなるのか、将来が見通せないことをどう考えるか、といった相談をするわけです。

本来であれば、離婚したければ夫婦で話し合うなり、弁護士を介して手続きを進めればいいでしょう。しかし、筆者のもとに相談に訪れる人は、子育てのタイミングで離婚を選択したり、離婚を検討している段階のため、一様に経済的に苦しい立場に置かれる、または苦しくなる見込みです。

離婚したことで子どもにしわ寄せがいくことを避けたいと考えるのであれば、離婚するにせよ、踏みとどまるにせよ、しっかりお金の準備をしておいてほしいと感じます。今回は、そのような方にお役に立てていただけるよう、過去の相談事例を紹介します。

働く時間が増えると児童扶養手当が減る

【ケース1】児童扶養手当を減らしたくないシングルマザーAさん

離婚して約6カ月。養育費は月々2万円支払われており、パート収入年収100万円弱で実家暮らし、同居する子どもは2歳。

お悩みは、将来に対する漠然とした不安、働く時間を増やすと児童扶養手当が減ってしまうというものでした。

当時Aさんは、定年退職した親(以降、祖父母)に子どもを預ける傍ら働いていましたが、毎日働くことは祖父母の託児負担が大きく非現実的であると考えていました。子どもが幼稚園か保育園に入園するタイミングで少し仕事を増やしたいけれども、働く時間を増やしても児童扶養手当が減るだけで、収入総額は変わらないという状況でした。収入を増やすために働いても、結果として収入が増えないというジレンマと言ってもいいでしょう。

Aさんの場合、当時の生活を続けるほかに、生活保護を受けるという選択があります。本人にも検討していただきましたが、気持ちの問題で申請には至りませんでした。申請したとしても、預貯金を貯めつつある段階のため、生活保護を受給するまでいかないと考えられます。

生活保護を前提に生活を組み立てる場合、働く収入が0円でも月額20万円ほどの保護費を受け取ることができたはずです(生活扶助、児童養育加算、母子加算、住宅扶助の合計として)。仕事をして収入が得られれば、保護費は減りますが、相談に来たときより家計が楽になるのは明らかでした。

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