「子持ち離婚」で損する人が多いのはなぜなのか 離婚検討段階から将来設計をする重要性
当時は緊急避難的に実家に戻って生活していたAさんが、離婚に至る過程で生活の選択肢を知っておくだけでも気が楽になったかもしれません。離婚を検討している段階では、金銭的メリットも含めて、実家で暮らすのことと、生活保護などを受けながら両親と別居することを冷静に比較することが大切です。
養育費については口約束であり、いつ元夫からの支払いが滞るかわかりません。養育費が継続して得られるかどうか不透明な点は、Aさん自身が不安に思っているところでした。
離婚に際し養育費の金額や期間を書面で取り交わし、支払われない場合には法的措置をとるなど、しっかりと母子を守るような法整備をしておかなければ、子どもを育てやすい社会とはかけ離れた状態が続きます。
夫と離婚し、家を買いたい
【ケース2】子育てに関与しない夫に愛想をつかして離婚を検討するBさん
大企業に勤める共働き夫婦で、子どもが誕生したばかり。育休中。
家を買いたいという理由で相談を受けたところ、離婚したいのでいくらの家なら買っても問題ないかということを知りたいとのこと。聞けば、里帰り出産から帰ってみると、夫がまったく育児を手伝わず、家事もしなくなってしまったそうだ。浮気をするでもなく、部屋にこもってゲーム三昧。夫に期待することを早々に諦めて、離婚の準備を始めるようでした。
Bさんは夫婦で年収500万円ずつ、世帯年収が1000万円でした。年収500万円といっても、フルタイムが前提ですから、育休から復帰しても年収は500万円に届きません。時短勤務として年収400万円。家を買うなら、年収に対して5~6倍程度に住宅価格を抑えておかなければ、生活が苦しくなります。
離婚しても夫から養育費を受けるつもりはないと考えており、年収400万~500万円を前提に家計の見通しをたてることになりました。保育園を利用する場合、家計を圧迫するため、郷里の母親を呼び寄せて、親子孫の3世代同居を考えていました。
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