日本が選択すべき「孤立する中国」への態度

国際政治に破壊される「サプライチェーン」

G7で中国を批判していないのは、日本・イタリア・カナダの3カ国だけです。

イタリアは中国の一帯一路に参加して中国から経済的利益を得ようとしていますが、いつまでいまのような態度をとり続けるかは、疑問です。

中国は「まったく不当な要求だ」と反論

コロナで命を失う恐怖。病院に行けないので持病が悪化する恐怖。仕事を失って所得が減り、生活を続けられないのではないかという不安。

これほどつらい経験をしなければならない原因は、ひとえに中国政府にある。

これは、全世界の人々の率直な感情でしょう。中国の国民でさえ、そう感じていることでしょう。それを考えれば、これまで述べてきた動きは、ごく自然なものです。

しかし、中国政府は、こうした声に理解を示すどころか、「まったくの不当な要求だ」と反論しています。

そして「自国の対策の不十分さを責任転嫁している」と主張しています。
「ウイルスはいかなる国にも出現する可能性があり、どの国で最初に蔓延しようとも法的責任はない。世界的な疫病のいくつかは最初にアメリカで広まったが、賠償を求めた国はない」との論法です。

確かに、法的責任はないでしょう。しかし、新型コロナウイルス感染の初期段階で中国が情報を隠蔽しようとしたことは事実で、その責任は免れません。中国が誠実に応じなければ、世界から孤立するでしょう。

中国政府は責任がないとするだけでなく、SNSなどを通じて、「感染の封じ込めに成功した」「西側諸国より統治システムが優れている」などと宣伝しています。

中国はさらに、欧州各国でマスクなど医療物資を提供し、救世主として登場しています。これは、「マスク外交」といわれるものです。

バルカン半島にあるセルビアでは、感染者が急増し、深刻な状況に陥りました。しかし、ドイツやフランスは、マスクの輸出を制限しようとしていました。これに対して、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領は、「ヨーロッパの連帯など存在しない。おとぎ話だった」と激しく非難しました。

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