国と証券会社が勧誘、増資が相次ぐ地銀の事情

国と証券会社が勧誘、増資が相次ぐ地銀の事情

企業や金融機関の大型増資が相次いだ2009年。めったに増資案件の出ない地方銀行も例外ではなかった。8月以降、大分銀行、大垣共立銀行、青森銀行、東邦銀行、宮崎銀行、富山銀行と普通株の公募が続いている。

地銀は地元から集まった預金を地元企業に融資し、余った分は国債で運用するのが基本。そのため収益は安定的ながら低成長。基本的に増資の必要がない。

にもかかわらず増資ラッシュとなった背景には、金融危機と国際的な自己資本規制強化の動きがある。

地銀の場合、まず市場からの調達以外に公的資金の申請という選択肢があった。

何といっても公的資金は税金。10年前に不良債権処理に準備された制度では当然、経営者の責任を問うなど縛りがきつい。申請は不名誉なことで、抵抗があった。

だが08年末に施行された改正金融機能強化法は違った。金融危機と景気後退が深刻化する中、銀行の貸し渋り対策として公的資金枠12兆円を準備。“健全行への資本注入”を建前とし、経営者の責任を問わない、配当制限しない、返済は簿価など、これまでよりはるかに緩い基準を導入した。おまけに公的資金優先株の配当率は1%程度と格安。

金融庁も予算を用意したからには使ってもらおうとばかりに説明会を開き、公的資金の申請を勧めて回った。「地域の財務局ごとにノルマがあるんじゃないかと疑うほど熱心。普段の態度と打って変わって、役人がまるでセールスマンのようだった」と、ある地銀の財務担当者はあきれ顔だ。結局、6行が資本注入を受け、あと2行が決まっている。

証券会社も営業攻勢

さらに積極的なセールス攻勢をかけたのが、野村証券や銀行系証券会社だった。

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