【産業天気図・総合電機】主要3社は10年3月まで利益低水準で「雨」、来春以降は上向く見込み
東芝<6502>は、徹底した固定費削減で損益が改善している。前期の巨額赤字の主因となった半導体事業はフラッシュメモリ価格上昇や固定費削減が計画以上に進んだことなどから、4~9月期(第2四半期)に黒字転換している。社会インフラは原子力を中心に売上高が堅調であるため、固定費削減により収益向上が著しい。3000億円を越える最終赤字だった前期に比べると、10年3月期は最終赤字額は縮小する。
来11年3月期以降は原子力事業の貢献増も見込め、業績は上向きが見込まれる。ただ、直近ピークより下落傾向にあるフラッシュメモリ価格が大きく崩れるようだと再び厳しい状況に陥る可能性は残っている。
日立、東芝に比べて業績の安定している三菱電機<6503>だが、09年10月~10年3月期(下期)は厳しい状況が続きそうだ。製造業の設備投資は依然として凍りついたままで、三菱電機の強みであった産業メカトロニクスが低迷から脱せずにいるからだ。重電システムなど比較的安定しているものの大きく利益を増やせる事業でもないため、産業メカトロの穴を埋められない。製造業の設備投資も底打ちし少しずつ回復に向かうため、10年度以降は業績は上向く可能性が高いが、力強い復活というにはほど遠い感がある。
(山田 雄大)
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