JR東の新型新幹線「E8系」、開発決定までの背景 鼻の長さ9m、山形県内を疾走するミニ新幹線
2020年3月3日、JR東日本は山形新幹線に新型車両E8系を2024年から投入すると発表した。E8系は東北新幹線内でE5系と連結し、宇都宮―福島間で最高時速300km運転を実施する予定だ。
現在山形新幹線ではE3系1000番代、2000番代を使用している。E3系は秋田新幹線「こまち」用として開発された車両で、1000番代、2000番代は山形新幹線用にアレンジしている。
現在秋田新幹線にはE6系が投入されているが、山形新幹線にはE6系の仕様変更車を投入するのではなく、新形式を投入することになった。それはなぜか? その理由は山形新幹線の歴史を振り返ると見えてくる。
ミニ新幹線のパイオニア「400系」
ミニ新幹線とは在来線を標準軌の1435mmに改軌してフル規格新幹線と直通させる構想で、本来は整備新幹線の建設費抑制策として考えられたものだ。実際に整備新幹線では東北新幹線八戸―青森間や北陸新幹線軽井沢―長野間で導入を検討したが、いずれもフル規格化により立ち消えとなった。
一方山形を通る奥羽新幹線は整備新幹線よりも優先度が低い基本計画路線という位置づけであり、全国新幹線鉄道整備法に基づく建設はできない。しかし奥羽本線を改軌して東北新幹線に直通するミニ新幹線方式ならば、奥羽本線内はあくまでも在来線として扱うことが可能。こうして山形新幹線が実現した。
1992年7月1日に山形新幹線福島―山形間が開業し、400系6両編成による。「つばさ」の運行が始まった。また、「つばさ」の一部は東北新幹線内では200系「やまびこ」と併結し、福島駅での分割併合シーンも話題となった。
400系は在来線を走行できるように車体サイズを小さくしており、これがミニ新幹線たるゆえんとなる。車体幅が狭いため、普通車はフル規格新幹線のように3+2列席とはできず、2+2列配置となった。
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