レムデシビル「コロナ治療効果あり」で普及道筋

治験で確認、5月に日本で「特例承認」ありうる

もともとはエボラ出血熱の治療を目的とした薬が新型コロナウイルスに効くことが立証された(写真:ギリアド・サイエンシズ)

ついに待望の治療薬の登場となるか――。

4月29日、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「レムデシビル」の臨床試験の結果が公表された。発表したのは、開発企業であるアメリカのギリアド・サイエンシズとアメリカ国立衛生研究所(NIH)で、どちらの結果も新型コロナウイルスに対するレムデシビルの有効性を示すものだった。

レムデシビルはエボラ出血熱の治療を目的として開発された薬で、安倍晋三首相が4月27日に「間もなく薬事承認となる見込み」と具体的に言及し、日本でも関心が集まっていた。厚生労働省は、海外で販売されている薬であれば国内での審査を簡略化することで素早く保険適用にできる「特例承認」の対象にする方針だ。

これまで「日本発」として期待が高かった富士フイルム富山化学の「アビガン」は3月末に治験を開始。結果は早くて6月末の発表を見込んでいるため、レムデシビルが一足先に有効性のメドをつけた形だ。

投与で回復までの期間が31%改善

国立国際医療研究センターが行った試験管内のテストでは、レムデシビルは多くの候補薬の中でウイルスの増殖を抑制する効果がもっとも高いことがわかっていた。また、小規模ながら、同薬の投与によって重症肺炎患者53人中36人で症状が改善されたという国際研究チームの報告が著名なアメリカの医学誌に掲載され期待が高まっていた。

4月29日に発表になったのは、NIHとギリアド社がそれぞれ行っていた2つの治験の一部患者のデータを解析したものだ。

NIHの治験は2月末に開始。アメリカを中心に欧州やアジアなど68医療機関で行われ、入院している1063人の肺炎患者が対象になった。日本からは国立国際医療研究センターが参加している。レムデシビルを投与する群と、投与せずに標準治療のみを行う(プラセボ)群に分けて行われた。

治験では、退院するか、日常生活に戻るまでの回復期間を比較している。プラセボ群では、治療を始めてから回復するまでの期間の中央値が15日であったのに対し、レムデシビルを投与した群は11日と、31%の改善効果が見られたとNIHは評価している。

患者の死亡率も比較対象になっている。プラセボ群の死亡率は11.6%だったのに対し投与群では8.0%と、わずかではあるが死亡率も改善傾向にあった。

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