夏の到来「日光と高湿に弱いコロナ」抑制の期待 それでも感染力ゼロにはならない点には要警戒
[24日 ロイター] - 北半球が温暖な季節を迎えることで、新型コロナウイルスの感染拡大にはブレーキがかかるのか。世界はその兆候を探し求めている。新型コロナウイルスによる死者はすでに19万人を超え、各国がロックダウン(都市封鎖)や渡航制限を課すなかで、グローバル経済は混迷に陥っている。
感染症の拡大に伴う季節的な要因について分かっていることを紹介しよう。
新型コロナウイルスに「季節性」はあるのか
感染症専門家のあいだには、それを期待する声もある。だが確信は持てない。科学者たちが必要なエビデンス(証拠)を集めるには、ウイルスが発見されてからの期間が短すぎるからだ。
英イーストアングリア大学の感染症専門家ポール・ハンター氏は、「同じような形で拡大する他の疾病から類推するしかない」と語る。
専門家らが確実に分かっているのは、インフルエンザや咳風邪、その他普通の風邪など呼吸器系に影響する感染症には季節的な要因があるということで、それにより、感染拡大を予測し封じ込めやすくなっている。
また、ある種の環境的条件がウイルス感染を加速する場合があることも分かっている。寒冷な気候、湿度、冬のあいだの人々の行動様式なども疫病の推移に影響を与える可能性がある。
ジョージワシントン大学のリアナ・ウェン教授(公衆衛生学)は、「この新型コロナウイルスについて季節性があるか否かは分からない。だが、他のコロナウイルスには季節性があることが分かっている」と話す。同教授は救命医でもあり、ボルチモア市衛生局長を務めたこともある。
英レディング大学の細胞微生物学の専門家サイモン・クラーク氏は、「寒い季節が咳風邪やその他普通の風邪、インフルエンザの拡大をもたらすと想定されている理由は、冷たい空気が鼻道・気道の炎症を招き、それによってウイルスに感染しやすくなるからだ」と説明する。
また寒い冬には、屋内で他の人たちと集まって過す時間が長くなる傾向も見られる。