東京五輪「1年延期」決断までの知られざる裏側 優柔不断な態度に各連盟から批判が続出した

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実際、ジョン・コーツIOC調整委員長は2020年2月14日、「東京五輪の延期や中止は不要と、世界保健機関(WHO)から伝えられた」と、中止の可能性を早々に否定する発言をしている。

ところが同日、WHO緊急事態対応上級ディレクターのマイク・ライアン氏が、「WHOはIOCに対し、オリンピック開催の可否について助言していない」「何かのイベントを中止するかしないかは、WHOの役割ではない」と、コーツ発言を否定。すっかりドタバタ劇となった。そして、2週間後のパウンド発言と、IOCも迷走を始めた。

コーツ発言の真意とWHOの否定についてIOCにコメントを求めたが、回答は「IOCはWHOと自前の医療専門家と連絡を取り合っています。WHOの立場を明確にするために、直接(WHOに)連絡することをお勧めします」というものだった。

各連盟からIOCの優柔不断さに批判が続出

東京都の抵抗を力でねじ伏せたIOCだが、新型ウイルスの前には打つ手がないようだ。

2020年3月22日、IOCの臨時理事会は、延期を含め4週間以内に結論を出すと表明した。3月17日の臨時理事会で通常開催方針の維持を示した直後の方針転換だ。その間、IOC委員を務めるカナダのへーリー・ウィッケンハイザー氏が今夏開催を「無神経で無責任な行為」と批判したのを皮切りに、IOCの優柔不断な姿勢に批判が噴出。

ノルウェー、スロベニア、ブラジルの五輪委員会、アメリカ水泳連盟、アメリカ陸上競技連盟、世界陸上連盟、日本五輪委員会の山口香理事らから延期を求める声が相次いでいた。

IOCの臨時総会後、カナダのオリンピック委員会が「オリンピックが今年開催されるなら選手団を派遣しない」ことを表明し、1年の延期を求めた。英独豪の五輪委員会も延期を要請するに至って、ついにディック・パウンドIOC委員も、米紙「USA Today」のインタビューで、予定通りの開催は不可能であり、IOCが延期を検討していることを認めた。 追い詰められたIOCは3月24日、臨時の理事会を開き、オリンピック史上初めての延期を決定した。

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