ヒートアップする米・電子書籍市場、先行キンドルをNookが猛追、ハード・ソフトで参入続々!

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 理由の一つは、ノートパソコンやスマートフォンとは異なって、紙の本のように大画面で読みやすいインターフェイスだ。また、場所を選ばず、読みたいときに高速携帯電話回線でコンテンツをダウンロードして、本が読めるのも非常に便利だ。しかも、端末には、1000冊から3500冊分の書籍データを格納して持ち歩ける。

コンテンツの価格が安いのも大きな魅力だ。アメリカでは書店店頭で売られる紙の新刊本は通常、1冊25ドル程度だが、Eブック向けなら1冊10ドル程度とかなり安い。たとえば、サラ・ペイリン(08年共和党副大統領候補)の“Going Rogue: An American Life”は紙の本の定価が28ドル99セント、バーンズ&ノーブル店頭で14ドル49セント(ハードカバー)だが、Nookなら9ドル99セント。アマゾンは紙の本の通販が14ドル50セント(同)、キンドルが7ドル99セントだ。

Eブックは、ハードウエアの初期投資は決して安くはないが、コンテンツは割安(ものによっては無料もある)なので長く使いたくさんの本を買えば、最終的には安上がりだ。

 ユーザーの声を拾ってみると、「忙しいので郊外にある書店に行く暇がない。キンドルは読み上げ機能もあり、運転中に聞いたりして重宝している」とシリコンバレーの中堅エンジニア。Text−to−Speechという読み上げ機能は、米国移民にも気になるところ。「英語の勉強になるので使いたい」と、市場開発の仕事に就く中国人のリー氏。

「年とともに目が悪くなり、活字が読みにくくなってきた。眼科医が進めるから」と、ソニースタイルで会った72歳のスーザン氏。バーンズ&ノーブルも回ってみるという。書店員のローリー氏は「電子書籍なんかいらないと思っていたけど、いざ、目にしてみるとNookは便利そう。買いたいわ。でも、いろいろな端末が出てきているし、すぐに199ドル以下になるんじゃないかしら」。

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