東名高速道路や中央自動車道などを管轄するNEXCO中日本が発表した数字によれば、2月は管内の総通行量が、189.6万台と前年同月比でほぼ横ばい、通行料金収入は同2.1%増と、新型コロナの影響はまったく見られなかった。3月の数字は総通行量が同10.7%減、料金収入は同11.9%減と影響が表れているものの、航空や鉄道の旅客数の減少よりは影響が少ないことが読み取れる。
サービスエリアは重要なインフラ
アクアラインには、アクアトンネルとアクアブリッジの結節点に「海ほたるパーキングエリア」がある。東京湾を行き交う船が間近に見える絶好の展望地でもあることから観光地としても知られており、休日には駐車場に入る車で渋滞が続くほか、平日も夕方には立ち寄る観光客で車も人もあふれる光景が日常茶飯事だ。
だが、4月中旬の平日の夕方に立ち寄ってみたところ、買い物客はまばらでとても海ほたるとは思えない閑散ぶりであった。飲食店や売店も24時間営業のコンビニのほかはほぼすべての店が営業時間の短縮や休業を決めており、仕事で利用せざるをえないドライバーには必要最低限の営業となっているという厳しい状況になっているのがうかがえた。これは海ほたるが観光客の利用が多い休憩施設であるところが大きい。
物流の従事者の利用が多い東名・新東名を管轄するNEXCO中日本は休憩施設の利用状況も毎月発表しているが、3月の売上高は、ガソリンスタンドが前年同月比11.4%減、飲食・物販に至っては同31.3%減と大幅な減少となった。いずれも減少しているが、観光利用が多い飲食・物販で、とりわけ大きな影響が出ているのが見て取れる。
NEXCO中日本管内で休憩施設を運営する中日本エクシスによれば、「高速道路のサービスエリア、パーキングエリアは普通の商業施設ではなくインフラを担っている施設になるため、こういった状況でも混乱がないように、流通、物流を担う皆さまをサポートするために、テナントと協力し工夫しながら営業を継続している」(4月中旬時点の広報担当者の回答)としている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら