コロナが「地域の病院」にとんでもなく厄介な訳 一口に医療崩壊といっても単純な話じゃない

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市中病院の医療崩壊リスクは、院内感染だけではない。

新型コロナウイルスの感染者を診ることによる経営的なリスクもある。和田医師が指摘するのは、「空きベッド」の問題だ。

「基本的に病院では空きベッドをつくりません。経営が成り立たなくなるからです。過去に勤めていた大学病院のベッドの稼働率95%以上でした。以前、救急車の“たらい回し”の問題が世間で注目されましたが、これも空きベッドがないために、救急外来で患者さんを受け入れられない事態が起きていました」

和田医師によると、今後、市中病院で新型コロナウイルスの感染者を受け入れることになると、他の患者や医療スタッフへの感染防止策として、病棟のフロアを丸ごと空けて、コロナ専用にする必要があるという。

市中病院や診療所の医療崩壊を阻止する必要がある

「いつ重症の感染者が出るかわからない中、ベッドを開けて待つというのは、経営的な負担はかなりのものになります」(同)

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これについて、23日、日本病院会の相澤孝夫会長が加藤勝信・厚生労働相に緊急要望書を提出した。空きベッドを確保する代わりに、財政支援・補填を行ってほしいというものだ。院内感染が起こった医療機関や、感染患者の受け入れを想定して予定手術や入院を延期している医療機関に対する減収を補うための支援も含まれている。

「新型コロナウイルス感染症による医療崩壊は、指定病院だけでなく、市中病院や地域の診療所にも及んでいます。クラスター対策もPCR検査の抑制も最初はよかったかもしれない。ただ、その結果、市中での感染を広げてしまった。今は、この市中病院や診療所の医療崩壊の阻止を考えなければいけない」(同)

鈴木 理香子 フリーライター

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すずき りかこ / Rikako Suzuki

TVの番組制作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆。今はホットヨガにはまり中。汗をかいて代謝がよくなったせいか、長年苦しんでいた花粉症が改善した(個人の見解です)。

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